職業訓練校って大丈夫?半年通って感じた問題点4つ

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この記事は2019年以前他サイトに執筆したものを引越し掲載しています。

この記事にたどり着いた方の中にはWebデザイナーの職業訓練校を検討されている方もいるかもしれません。

職業訓練って大丈夫かな、と不安に思う方も多いかもしれません。実績の高い民間スクールもたくさんありますし、どちらを選ぶべきか迷っているでしょうか。

そんな方の参考になればと思い、私自身の半年間のWebデザイン職業訓練から感じた問題点をまとめました。

目次

職業訓練校卒で、Webデザイナーになりました

はじめに私自身の話をしますと、半年間の職業訓練を経て現在制作会社のWebデザイナーをやっています。

一般に職業訓練の評判はあまりよくないようです。実際クラスメートたちも不満だらけでしたし、私もいろいろ問題を感じていました(詳しくは次の見出しから)。

ただそれでも職業訓練校には大きなメリットが一つあります。

職業訓練を選択するメリット、それは金銭面の負担がないこと(むしろ給付金を受給できることもある)。

私自身これが受講理由でした。経済力がなくても学べたおかげで転職もできたので、この制度にはとても感謝をしています。ただもしも少しお金に余裕があって民間スクールも選択できるという場合は、職業訓練の問題点を把握したうえで比較検討してみるのもよいかもしれません。

職業訓練校に通っていて感じた問題点

以下、訓練校=公立の中学校、民間スクール=私立の進学校、と置き換えるとわかりやすいかもです。

講師のスキル不足

講師には当たりはずれがあります。これは民間スクールでも避けられないと思います。

ただ有料の民間ならあまりにスキル不足の講師は淘汰されるはずですし、結果を出せる講師が在籍している確率も比較的高いでしょう。

スキルというのは教え方の上手い下手のことです。知識自体が足りないという講師はさすがにいないと思います。学校で教える内容は基礎の基礎なので。

残念ながら私は超がつくほどのハズレを引いてしまいました。正直自分で教科書を読んでた方が早いしわかるのではないか、という授業でした。教科書をそのまま読んだり書き写すだけ。

ただ他のクラスなど、いい授業をしている講師も中にはいました(壁が薄いので聞こえる)。

訓練校に通うなら講師に期待しないほうがいいと思います。いい先生に当たったらラッキーくらいにかまえて、基本は独学の気概で。これは就職後にもつながります。基本現場では教えてもらえませんので。

職業訓練は公共の職業訓練施設と、民間企業に委託の2パターンがあります。そして後者の場合、その企業自体でもアタリハズレがあります。私の場合「委託」の方でしたが、個人情報などの管理体制にも問題を感じていました。

受講者のモチベーション

訓練校の全体的な傾向をまとめるとこんな人が多いです。

  • 学習意欲が低め、学び方も受動的
  • 就職へのモチベーションが低い(経済的な心配の少ない主婦や親元の若者も多い)

生活や人生をかけて挑んでいる感じの人は少数です。

なれたらなりたいなあ程度で、本気の就職活動はしないという人がほとんどです。中には給付金目的やタダで習えるから(無料の習い事感覚)という感じの人もいます。

実際Webデザイナーの道に進む人もほんの一握りです。

訓練校卒の先輩デザイナー(前任者)にも聞いてみたところ、やはり同じ感じだったそうです。

民間スクールに通っていないので自身の体験で比較はできないですが、お金を払っている受講者たちだったらもう少し違うだろうなあ、と思っていました。

全体のレベルやモチベーションは授業の進み方などにも少なからず影響を与えます。全体の授業はどうしても低い方に合わせざるを得ないところもあるからです。※次の見出しとも関連

また独学と比べたときの学校のメリットとして、仲間とともに励ましあい刺激しあえる点があります。けっきょく最後は自分次第とはいえ、モチベーションが高い仲間に囲まれていることはプラスになります。

カリキュラムと授業レベル

訓練校のミッションは数か月という短期間で未経験者を就職させることです。というわけで本来ならWebの現場を考慮した、濃い実践的な授業を行なう必要があります。

ですがここで問題が起こります。職業訓練というのは、様々な背景を持った幅広い年齢の方が通います。

実践的な内容になるほど、スキルが低い人はついていけなくなってしまいます。

あるいはモチベーションの低い人は投げ出してしまいます。

公的な訓練なので、成績上位者を優先してその層を就職させよう、ということはできません。

全員がついていけるようにするために基礎的な部分を繰り返すことになります。つまり仮に講師が濃いノウハウを持っていたとしても、授業時間内ではそれを習うことはできません。

その結果スキル・モチベーションの点からみて、最も就職できそうな層伸び悩み、不満を持つことになります。実際私のクラスでも苦情などいろいろ問題がおきていました。

訓練校にも一応受講基準がありますが、私のところでは「ローマ字入力できること」でした。ということでタッチタイピングはできない、またほとんどPCを使ったことがない、という生徒もいました。そして多くの場合PC操作などのスピードもその人たちに合わせて授業が進められます。

教材やPCなどの学習環境

職業訓練で使える環境はあまりよくありませんでした。

デザイン(Adobe)ソフトのイラストレーターとフォトショップはふた昔前のバージョンでした。具体的にはCS6の時代にCS4。おそらく企業側としては、そこに投資してもリターンがない、そんなに難しいことはまだやらないでしょ、ということだと思います。ですが、実務のことは何もわからず就職するわけです。せめて現場で使われている最新バージョンで慣れておきたかった、というのが本音です。

またテキストもあまり評判はよくないものでした。しかも昔大量買いしたのかずっと保管されていたやつでした。テキストに沿って授業が進む以上、講師のレベルと共にこれは小さくない問題だと感じていました。

さらにPCのスペックもあまり高くないため、Adobeソフトがフリーズしたりでした。

おそらくこのあたりは学校を運営する企業次第です。就職率が高い→国の支援が手厚くなる→企業として学校運営に投資する価値がある→環境を整える→生徒のやる気が上がる(以下繰り返し)となればいいのでしょうが、実際にはその反対だったり。

私の学校は負のスパイラルだったように感じました。

訓練校卒でWebデザイナーの就職は大丈夫?

やはり一番重要なのはこれ、就職です。さて訓練校というのは、「就職率」という形で結果を表します。

そして厚生労働省が公表している「求職者支援訓練」の就職率は約6割です。意外と高いな!と感じるでしょうか。ですが、これには訓練内容とは別の職に就いた人、またアルバイトなども含まれます。

したがって実際どれくらいWebデザイナーの道に進めているのか正確な数字はわかりません。

ただWebデザイナーという肩書で、かつ正社員となると数%(一桁?)というくらい低いのではないかと感じています。他の訓練校卒の先輩(前任者)に聞いても同意見でした。また訓練校にはカリキュラムの一環としてエージェントが来ます。そこで紹介された過去の就職成功事例もほぼ全部派遣や契約でした。

あくまで体感ですが、雇用形態に関わらず何らかのWeb関係、何らかのデザイン関係で3割~4割くらいというイメージです。かつ正社員となると数%~多くても十数%。

自分の話になりますが、高卒でほぼ料理しかやったことのない35歳未経験でもなんとか就職できましたので、絶対に就職できないということではないです。ただ卒業後それなりの労力をかけて自助努力をしたこと、運が良かった(採用された企業との相性)ことが大きいと思っています。訓練を受講しただけではほとんど無理です。

ですのでもしお金を捻出できるなら、そして真剣に目指したいと思っているなら、就職率の高い民間スクールも視野に入れて調べてみるのがいいかもしれません。民間スクールの中には就職支援が手厚いところもあります。

まとめ

Webデザインの職業訓練で感じた問題点4つ

  1. 講師のスキル不足
  2. 受講者のモチベーション
  3. カリキュラムと授業レベル
  4. 教材やPCなどの学習環境
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