【オノマトペがカギ?】WebやSNSでの料理レシピ名のつけ方

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WebやSNSで料理について発信する人は多い(私も多少やっている)。レシピの場合は名前のつけ方も大事だ。

この記事では料理のネーミングについて考えてみようと思う。

目次

Webレシピと飲食店メニューの違い

まずは飲食店のメニューとWeb情報の違いから。

飲食店はおいしそう、食べたいと思わせればよい。いっぽうレシピサイトはそれに加えて必要な要素が多々ある。まずは作れそうか、めんどうくさくないか、材料費は高くないか、などなど。これらのハードルをクリアする必要がある。ネーミングでこれらのハードルをパッと乗り越えてしまうのが理想だ。そうしないとほとんどの訪問者は内容を見てはくれない。

ただ「かんたん」「時短」「失敗しない」「安い」など安易なネーミングではおそらく差別化は難しい。というわけで次の見出しではネーミングの切り口を探してみる。

ネーミングの切り口

まずは「かんたん」といったざっくりな文言を使わず、もっと情報を具体化することが大事だ。例えば「〇分でできる」「電子レンジで2回」など。これは時間や道具という切り口だが、ほかに以下のようなジャンルで考えていくようにしている。

時間〇分でできる…
だれ〇〇に作ってあげたい… 子どもが喜ぶ…
相性ビールに合う…
場面パーティーで… おもてなしの…
擬音コリコリ、ぱりぱり、もっちり、ほくほく、じゅわー 【後述】
季節冬に食べたい…
気候暑くて食欲がない日に…
見た目や雰囲気華やか… いろどり…
そのほかおふくろの味… 庶民的な…
レシピ名ネーミングの切り口

上記の例はちょっと適当に挙げすぎた。なので上に挙げた中でも個人的にはチョイスしないようにしているものもある。使われすぎている言葉には気をつけている。例えば「がっつり」とか。

上の表はシンプルな例でまとめてみたが、広告コピー等のテクニックも使えるかもしれない。例えばカリギュラ効果、禁止されると逆にそそられるというやつ。「深夜には絶対見ないでください」とか「危険。一度口にしたら…」みたいな。

擬音については後半オノマトペの見出しで書くことにする。

ニッチなワードを取りに行く作戦

先の見出しでは具体的なネーミングについて書いたが、もっと根本的な方向性が大事になってくることもある。

私の場合「ターゲット×コンセプト」といった基本的な要素から考えることも多い。

例えば「初心者でもわかる基本の肉じゃが」といった感じ。

もちろんコンテンツの中身やサイトの方針と合致していることは必須。上の例なら、丁寧な解説+極端なお手軽系ではないことが条件。

ただこれだけだと差別化できない。競合(ある意味強豪)が多すぎる。

そこで何か違う要素を一つ入れてみたりする。例えば特定の食材名を入れてみるなど。

例えば「こんにゃくを使った定番の肉じゃが」

こんにゃくという入口をつけるとライバルがぐっと減る。もちろんピンポイントの訪問者も減るが、ただの「基本の肉じゃが」にしたままで、まったく表示されないよりはよい。

なお無理やりひねり出すのではなく、しっかりと内容に沿っていることは大切。上の例なら、こんにゃくの調理にしっかりと解説を加えているコンテンツだから成立する。

また言葉のニーズを調査することも大事だ。具体的にはキーワードプランナーを使って調べてみること。上の例では「肉じゃが こんにゃく」。また実際にそのキーワードで検索をかけてみること。

なおこの記事のテーマはネーミングなので上記のようなことを書いてみたが、本来そこで差別化するという考え方自体がナンセンスだ。すべてはコンテンツありき。コンテンツを初心者でもわかりやすいものにするとか、食材や調理にポリシーがあるとか、そういうところで考えるのが本筋。

またネーミングによってありきたりを避けようとするより、内容の点で斬新であることが一番大事だ。例えば一昔前なら「油で揚げない唐揚げ」(今では全く斬新ではない)。もっと言ってしまえば新しいアイディアを定期的かつ継続的に出せないなら、レシピ発信の意味はあまりないのかもしれない。

美味しいを分解する習慣

何か食べたときに「美味しい」で終わらせずに言語化したり、分解する習慣をつけることは大事だ。普段からそうしていればレシピ名をつける際に豊富な引き出しを持つことができる。

どんな風に美味しいのか、「おいしい」を使わず、またその料理における当たり前を除外して表現する。

× しょうゆ煎餅…しょっぱくておいしい、バリバリしておいしい→これらはほぼ当たり前なのでだめ。

〇 しょうゆ煎餅…ほんのり甘味を感じる、香りが鼻に抜ける、米の旨味や甘味を感じる、コクがある、あっさりしている、かためだが噛み心地がよい、など。

自分の感覚・味覚を鍛えるにはどうしたらいいのか、経験値を効率よく高めるにはどうしたらいいのか。→料理の特徴を分析することは大事。以下私の場合。

まずうま味香りは常に意識している。うま味はどういう系統なのか脳内で改めて分解、香りは鼻に抜けさせる習慣。なお香りは味の7割(あるいは8割以上)を占めるとも言われるほど重要。香りを上手く表現できれば勝ちと言ってもよいくらいだ。

また反対の味や離れた味を意識すること。ベースが塩味のものは甘味、甘いものなら酸味や塩味、辛いものなら甘味の度合い、といった感じだ。メインの味と対極にある要素がどう貢献しているかを考える。隠し味に気づこうとする習慣とも言える。例えば炒め物の最後にほんのわずかに加える酢などは、酸っぱいと感じないが全体を引き締めてまとめる効果を出す。

辛い渋い、といった要素は味蕾とは別で意識しておくこと。これらは味覚というより厳密には触覚(痛覚)で感じているらしい。頬っぺたの奥の方とか喉とか、そういったところがどう感じているか意識しているとわずかな辛味や渋みを認識して言語化しやすくなる。

そして食感をオノマトペで言ってみるのは大事だ。※これについては次の見出しで書くことにする。

また単なる味覚以外の要素にも想像力を及ばせることは大事だ。誰に食べさせたいか、身近な人の中で誰が喜びそうか。あるいはどんな場所でどんな季節だったら最高においしそうか。どんなおかずや飲み物と組み合わせたいか、などなど。

特に人の感情に訴えるものは威力がある。安らぎの味、幸せの時間、やさしさの…、ほっとする、といった系統。もっともわざとらしくならないようにレシピ名に織り込むのは難しいかもしれない。紹介文などに使うほうが自然かも。

オノマトペは大事

レシピ名をパッと見たときにグッと惹きつけられる、それを目指すならオノマトペは大事だ。オノマトペとは擬音語や擬態語、食べもので言えば「カリカリ」とか「プリプリ」とかそういうやつ。日本語はオノマトペが多い言語らしい。

代表例をざっくり分類するとこんな感じになる。

味の系統あっさり、こってり、さっぱり、ピリッと
テクスチャー、食感カリカリ、サクサク、ジュワッ、とろとろ、プリプリ、もちもち
調理過程(主に加熱)カラッ、コトコト、こんがり、グツグツ、ジュウジュウ、
調理過程(そのほか混ぜ方など)サッと、さっくり、ざっくり、バラバラ
温度キンキン、ヒヤッ、ふーふー(熱いものを冷ます)、ほくほく
見た目、形状コロコロ、ゴロゴロ、こんもり、ずっしり、まるまる
料理家のオノマトペ例

重要なのはやはりテクスチャー、食感系だ。これは本能に訴えかけてくるというか、口の中の幸福な記憶を呼び起こされる感じがする。上では数個しか例を挙げていないが、多くの人は軽く30~40種類程度は挙げることができると思う(あ~順にやってみるとおもしろい。あっさり~など最初は少なめだが、さ行は多め、は行で爆発するはず)。悪いテクスチャーも軽く10種類くらいは挙げられる。例えば「もそもそ」「じゃりじゃり」「ごりごり」「ぱさぱさ」などだ。

女性に人気のテクスチャーとしては「ふわふわ」「とろとろ」などが定番。

組みあわせというパターンもある。上の女性人気のワードで言えば「ふわとろ」あるいは「とろふわ」。他にもオリジナルの組み合わせはいくらでも考案できそうだ。人に伝わるかはその人の影響力やセンス次第だが。また組み合わせるにしても短縮せずに4文字+4文字という手もある。「ふわふわとろとろ」。

そしてひらがなを使うか、カタカナを使うか、という点がある。個人的にはかたいテクスチャー(例:カリカリ)ならカタカナ、柔らかいテクスチャー(ふわふわ)ならひらがなと思っている。あとは見やすさ(読みやすさ)が一番大事かなと思っている。例えば「カリカリじゃこ」のほうが「かりかりじゃこ」よりわかりやすい。逆に食材名や料理名がカタカナならオノマトペはひらがなとか。

最初の表から考えるとオノマトペには調理過程のものもある。レシピの場合飲食店のメニューと違って、見た人が自分で作るわけなのでここも大事だ。少し時間があるししっかり煮込んだ料理を作りたいなという人には「コトコト」がささるかもしれないし、一杯飲みながら音もつまみにしたい人には「ジュウジュウ」がささるかもしれない。

食のオノマトペは味覚(五味など)そのものを表すものはあまりない。聴覚、視覚、嗅覚、触覚(=ほぼ食感)がほとんど。そして擬音と五味はほぼ関係ない。ということはその料理の典型的な五味(塩味や甘味など)にはとらわれずに自由に表現をチョイスできる。味のイメージからは遠そうな擬音をわざと選ぶのもありかもしれない。意外な組み合わせを見つけることもできそうだ。

ただ基本的には直感で頭に浮かんだ擬音を使えばよいと思っている。パッと思い浮かばないのに擬音をひねり出すのは適切とは思えない。そういう場合そのレシピはオノマトペなしでよい(全部の料理につけていたらくどい)。奇をてらわずにレシピの特長を適切に表現すること。そうしないとタイトル詐欺みたいになってしまう。

ただネーミングの際に「どうしてもここに擬音がほしい」という場合もあるかもしれない。そういう時には以下の情報が役に立つ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/30/1/30_30_340/_pdf

私もオノマトペについては上記の論文や書籍等を複数読んだ。論文はもちろん専門的(COOKPADのオノマトペを分析している)だが、本のほうもけっこうマニアックだ。ネット上だけでなくマンガ作品などで使われている表現も分析されている。

またWebサイトとしては一般社団法人日本味覚協会というところが運営しているサイトも参考になる。オノマトペについては以下の記事など。

味覚ステーション
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オノマトペとレシピサイトへの活用

さいごに少しだけ(Web制作についてのブログなので)サイトの機能的にどうオノマトペを組み込めるのか一応考えたい。

まずはオノマトペによる検索や関連表示をできるようにすること。ただGoogle検索ならともかくサイト内でオノマトペで検索する人は少ないかもしれない。関連はタクソノミー、タグを使えば簡単だ。表示せずに内部的に情報を持たせ、関連の重みづけをするのもありそうだ。

実装例 【直接的】料理名や紹介文に入れてサイト内キーワード検索に対応 【間接的】オノマトペのタグをつくり「このレシピを見た人におすすめ」等で活用(タグは内部的に持たせ表示しなくてもよい)

ただいずれにせよ、基本的には料理名や食材名のほうがベースになる。そこを飛び越えてオノマトペが独り歩きはできない。

ただし提案する形が上手ければ料理名や食材によらない方法もあり得るかもしれない。例えば季節などの大きなくくりをうまく使うこと。例としては「夏に食べたいさっぱり料理」「冬に食べたいほくほく料理」のような。こう考えてみると、オノマトペは単体レシピ名よりも大きなテーマのときに一番力を発揮する気もしてくる。

まとめ

  • レシピ名は「おいしそう」に加えて「つくれそう、つくりたい」と思わせる必要がある(飲食店メニューとの違い)
  • 具体化するのは一つの手(例:単に「時短」よりも「〇分でできる」「レンジでできる」など)
  • 時間、だれ(に作りたい)、相性(他の料理や飲み物との)、季節、見た目などネーミングの切り口を持っておく。特にオノマトペは使える。
  • ニッチなワードを取りに行く作戦もある。その料理で必須ではないがわりと使われる食材など。例:肉じゃがにおけるこんにゃくなど。(ただし本来はネーミングではなく内容・コンテンツで差別化を目指すべき)
  • 美味しいを分解する・言語化する習慣を持つことは大事。反対の要素を探す、舌以外の感覚にも細かい注意を向ける。
  • オノマトペはテクスチャー・食感に関するものが使える。レシピの場合は調理風景を想起させる意味で加熱中の表現もよさそう。
  • Webサイト運営でオノマトペを活用するなら、タグでのおすすめ表示や季節のテーマなどがよさそう。
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