料理についての言い訳で「レシピ通りにやったのに…(だからレシピが悪い)」というのがあります。
これを言う人は初級者の域を出たとは言えないです。日常的に料理している中級者なら、あらかじめ見当をつけてなんらかの調整ができるはずだからです(レシピが明らかにおかしい場合はたいてい気づきますし、そもそもレシピ情報はヒントを得るために使用するからです)。プログラミング初心者がコード例をそのまま貼りつけて「うまく動かない」とか言うのと同じです。ですので自己保身のために「レシピ通りにやったのに…」は恥ずかしいです。
ただレシピを書いている側としては考えるべき問題でもあります。なぜなら大抵のレシピは初心者を対象にしたものだからです。ある程度「その通りにやればよい」というものを提供する義務があります。
というわけでレシピ作成の際のポイントを考えてみました。
レシピ通りにやったのに失敗…の原因
「レシピの通りにやったのに…」上手くいかない原因としてわかりやすいところでは以下が考えられます。
- 材料の分量
- 調味料の分量
- 時間や火加減
- 食材の質
職人レベルの勘や経験を要するものでない限りはこのあたりかなと思います。
例えば味の調整。汁が多い料理なら汁に対してのパーセントで考えたほうがよいですが、具が多い料理なら具の重量に対してのパーセントで考えます。たぶん実際パーセントで考えながら料理する人はほとんどいないと思いますが、経験豊富な人は無意識にこういった調整のためのポイントを動かしているはずです。こういったことを作り手が意識しなくても失敗しないようにさらっと導くことが必要かなと思います。
また味のベースになる調味料はどれで、好みで変動してもいいのはどれ、という分け方をしてあげるのも親切です。また一気に投入させず、後から微調整していいものはそうさせる方が失敗を防げます。
また時間や火加減の問題。〇分や〇火(中火など)で示す方が簡単ですが、本来「状態」で考えるほうが適切なことが多いです。「ふつふつと沸いている状態」などです。この「状態」を無視して言葉通りの「火の設定」にこだわると失敗の原因になります。
レシピ作成側の対策
原因を踏まえて考えられる対策です。
- 材料は〇本、〇コなどで書くと同時にグラム等を書いておく(つまりレシピ作成の際にしっかり計量する)
- 調味料は変動させていいものや最後に調整したほうが失敗しにくいものはその旨明記する。
- 火加減は「〇火」などと書くだけでなく、食材側や汁側の「状態」を書く。時間も同様。
- 材料や調味料はスーパーで売っている平均的レベルを選んで試作を繰り返す
結局この問題を防ごうとすると「レシピは詳しい方がよい」となります。ただあまりに詳しいと読んでもらえないですし冗長になりすぎるという問題があります。
そこで「デザインで解決する」そもそも「ページに訪れるユーザーを絞る」などが考えられます。
構成やデザインでの解決案
詳しいが冗長とは感じさせないために二段階に分けるという構成が考えられます。
作り方は「作り方概要」と「作り方詳細」という2つのセクションに分けて書きます。概要はさらっと一、二行で流れを把握してもらうために使い、詳細側には細かい注意点などを書くという分け方です。または各工程に詳細を付与し、アコーディオン等で必要に応じて開閉というのも考えられます。
また材料も「(通常の)材料欄」と「材料備考欄」を作ってしまいます。材料備考は代替で使えるものや、品質や選ぶ方法などを書いておきます。備考側はアコーディオンなどでたためば初見でごちゃごちゃした印象を与えることを防ぎ、本気で作りたい場合だけ目に入る形にできます。
本文側も読みやすさと把握しやすさを向上させるのは大事です。その料理のポイントは囲みや色分けで書き、工程を把握する段階では読み飛ばしても通じるようにする方法が考えられます。また装飾によって単に文章を追いかけている感じを軽減する効果も期待できます。また画像を適切に活用することはもちろんです。
あらかじめユーザーを選定、あるいはターゲットとしているユーザー層を伝えることもできます。レシピに入る前の段階で「初心者でもわかるように書いた」と認識してもらえれば、「冗長」ではなく「丁寧・親切」ということになります。サイト全体レベルでブランディングしたり、「初心者向けの丁寧レシピ」をカテゴライズしそれを示すアイコンをつけるなどもありそうです。
コメント