Webデザイナーの仕事

HSPにとってWebデザイナーという職業はたぶん向いている

この記事は2019年以前他サイトに執筆したものを引越し掲載しています。

最近「HSP」(Highly sensitive person)なる言葉を知りました。

今Webデザイナーとして制作会社に入って4か月ほどなのですが、これまでの厨房の環境と違って、とても心地よく感じるというか自分に合っている職業だなと感じています(もちろん未経験スタートなので大変なことは多いですが)。

で、たぶんこれは自分が典型的なHSPだからだと思ったので記事にしてみます。診断でもかなり強めのHSPになりました。

HSPの人がWebデザイナーに向いている理由

HSPがWebデザイナーに向いていると思う理由はこんな感じ。

繊細ゆえにこだわれるから

Webもデザインもある意味だれでもできるって言えばできます。じゃあ差はどこで?っていうと、一つにはこだわれるかどうか

意識してこだわりを持たなくても勝手にこだわってしまうHSPはデザインを天職にしやすいと思われます。

本質や理由など、深い処理が好きだから

Webデザイナーの一番コアな仕事って、そのデザインの理由やポイントを探すこと。逆に言うと理由を積み上げてデザインという形に具現化すること。

そして想定するユーザー、扱う商品など条件は常に違います。だから単純に法則化できるものでもなく深い部分での思考が必要。

非HSPにとっては適当に処理して進めたいと感じる脳内処理もたぶん多いです。でもHSPなら、必要ない時ですら頭の中でやってしまっているくらいなのでこれを楽しめるかもしれない。

本質や理由の追求という一番重要な部分のトレーニングを普段から自然にしてしまっている感じです。

HSPは創造性を発揮したいから

HSPは創造するのが大好き。でも創造性を発揮できる仕事って多くはないです。

Webデザイナーは門戸が広いとはまでは言えないけれど、一握りの人しかなれないような仕事ではありません。これは5人に1人もいるHSPたちにとってチャンスです。20年前にはほぼなかった職業です。

そしてそのWebデザイナーには十分創造性を発揮する機会があります。デザインは答えが一つじゃないので。同一の課題と目的で作り始めてもみんなアプローチや内容が違います。まさにHSPの芸術とか創造性、感性を重視する性質にピッタリ。もっともデザインは芸術とはまた違って理屈や法則がキモではありますが。

個人的にはHSPはプログラマーやエンジニアにはあまり向いていないかもと感じます。本質的に無駄を排除することが大切というか、効率よく作ることを優先するから。ただ仕事環境的には向いていると思います。

他にも、HSPの特徴である感受性の強さや共感力の高さはブラウザの向こうにいるユーザーが直接接するものを作る上で大切です。でもここまでだと他の職業でも生かせるし必要とされる性質も多いです。

ですので以下一見マイナスになりそうな性質についても考えてみます。

普通の仕事で弱点になりやすい部分もプラスとして生かしやすい

営業職とか大企業の管理職とかだったら完全に弱点とされる部分が、Webデザイナーではむしろプラスに働く可能性があると思います。

以下私自身の性格(左)を、Webデザイナーへの適性として変換(右)してみました。

  • 集団生活や人ごみがストレス → 自分の場所で一人作業。HSPの集中力がいかんなく発揮
  • 人の感情とか入ってくる情報を処理しきれず疲れる → Webだとお客さんはブラウザという壁の向こうなので大丈夫
  • 目立ちたくないし人目を気にするくせに人と違うことをやりたがる → Webはそういう人のためにある気がする
  • 「流行ってるから、ずっとこうやってきたから」という理由では納得しない → Webのデザインって人間心理とか本質の追求(なぜ、なぜ)が必要

うん向いています。スキルやセンスはともかく、性格的に完全に向いてます。

なお上のリストから他に考えられる職業は研究者とか小説家とか芸術系とかがありそうです。

いったんまとめ:HSPとWebデザイナー

世の中に楽な仕事はないですけど、人によって向き不向きって絶対あります。

Web」×「デザイン」ってそれぞれがHSPには向いているパーツ。

その組み合わせである「Webデザイナー」って、もしかしたらHSPの天職たりうる数少ない職業の一つかもと今感じています。

正直今までの調理の仕事が合わなすぎて、より大きく感じている気もします(これについては後述)。

もちろん会社の雰囲気にもよると思いますが(今の会社はどちらかというとゆるい雰囲気なのでありがたい)。

継続的な努力が必要な職業なのでその点は楽ではないし、なのでHSPなら誰にでもおすすめ!と安易には言えないですが、他の職業に比べれば圧倒的にフリーランスも多いし、もし今の仕事にしっくりこないものを感じているなら検討してみるのはいいかもしれません。

じゃあ非HSPのWebデザイナーは?

なお非HSPはWebデザイナーに向いていないかと言うとぜんぜんそんなことはないです。

当たり前ですが非HSPも細部に工夫を施し、深い思考や処理をし、創造性が高い人はたくさんいます。違いはHSPは生来の性格的にその傾向が強く、必要ないときでも勝手に(ある意味無駄に)やってしまうことでしょうか。

非HSPのほうが変化が速い世界でも足かせが少ない分有利とも言えます。足かせとは、感情が豊かすぎる、直感を重視しすぎる、自分のペースを大事にしたいなど。HSPの場合これらが強すぎるので。

さて改めてまとめると、やる気があればだれでもチャレンジできるのがWebデザイナー。

で、現代社会ではHSPは向いている職業が少ないから(ある意味消去法で)Webデザイナーいいかもですよ!っていうのが私の意見です。

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは

敏感で繊細で感受性が強い人

ハイリー・センシティブ・パーソン(英: Highly sensitive person, HSP)とは、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性(あるいは、カール・ユングの造語で言えば生得的感受性)を持つ人のこと。

wikipedia ハイリー・センシティブ・パーソン

難しい言い回しになっていますが、とても敏感・繊細な気質を持っている人のことです。他の人より感受性が強い

心理学者エレイン・N・アーロン博士が1996年に名付けたものということで、新しいですね。

日本ではそれほど知られていないようです。

こんな特徴があります

  • 大きな音、眩しい光・蛍光灯、強い匂いのような刺激に対して敏感
  • 豊かで複雑な内的生活を送っているという自覚をもっている
  • 物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱する
  • HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理している

wikipedia ハイリー・センシティブ・パーソンより

HSPの割合

HSPは人口の約五分の一を占める

wikipedia ハイリー・センシティブ・パーソン

性格特性というのは程度があるものなのでHSPでも弱めの人もいるし、逆にHSPとは言えないけどかなりHSPに近いという人もいるはず。

で、ある一定の基準に従って分類したのが5人に1人という割合。

HSPは競争社会では評価されにくい

競争社会での優劣という観点では、とにかく劣になりやすい特性ばかりのHSPです。

学校とか会社とか集団生活で評価されやすいのは表面上の協調性、スピードや容量の良さだから。

組織にいたらたぶん出世できない(不幸になる確率が高いからしない方がいい?)タイプです。

提唱者の本を読んだ結果、HSPかそうでないかの切り分け方などには十分納得できていない部分もあります。そもそもの定義や根拠、例や経験談などすべてが感覚的すぎて根拠が薄弱という感じです。ですのでこの記事はそれでもHSPというものがあるという仮定で進めます。本の感想記事は以下。)

HSP提唱博士の本、「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」「ひといちばい敏感な子」読了感想

Webデザイナーに転職したHSP(私)の話

比べると、今までの仕事は私にとっては地獄だった

15年ほど調理師をしてきましたが「料理」そのものというより「厨房」という環境がとにかくきつかった…です!

料理そのものは好きだしクリエイティブになり得るけど、実際の厨房内はただの戦場という感覚。

※以下、HSPにとって厨房が向いてなかったと感じる理由(太字はHSPが苦手なこと)

  • ひたすら分とか秒単位でのスピード勝負かつ同時並行、かつほぼずっと人と連携・共同
  • 怒鳴る人体育会系の人が多い(わかりやすい人が多いという面ではよかった)
  • 暑い寒い、かきこむような食事(しかもみんなで一緒に)。ほぼ休憩は取れない
  • 中間管理職のストレス(飲食業界はアルバイト・パートさんがほとんどなので、社員=管理職的な仕事。上からの無理なノルマと下のスタッフの間で典型的な板ばさみ)

今これ書いてたら思い出して、いちばんきつかった頃の頭痛とめまいと腹痛が戻ってきそうです。

営業はやったことないですが絶対無理そう。

でも今まで苦手なこと必死にやってきてよかったです。HSPの特徴を自分の欠点と思い込んで、なんとか変えようとして生きてきたことも悪くはなかったです。ただかなり遠回りだったとは思います。

HSPを知って人生が楽になった

今回HSPという言葉を知って良かったことは、社会で生きるのが少し楽になったこと。幸運にもWebデザインの仕事に転職したタイミングでHSPを知れたというのもあります。

知ったというだけで実際には自分も周りも特に変わっていないです。それでも今まで自身の弱点としか捉えていなかった部分について、良くも悪くも自分の特性なんだとフラットに客観的に捉えられるようになったので。

振り返ってみると、今までの人生はHSPあるある?に当てはまること、当てはまること…笑

  • 幼少期の吃音
  • 幼稚園と小学校低学年は毎日プチ登園登校拒否(朝になるとおなかが痛いとか体調不良…実際休むことも)
  • 給食と休み時間が苦でテストの時間が一番好き
  • いじめられている子に泣きながらも味方してしまう(どうしても許せなかった)
  • 中学校くらいから暑いとすぐに片頭痛発症(片目がチカチカ・強い吐き気)
  • うつ経験(原因がHSPの弱点が重なったゆえと思われる)

Webデザイナーの仕事でこれからも自分らしく働けたらいいなあと思っています。

姉妹サイトのHSP関連記事です。

https://houtyou.com/restaurant/hsp/

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