Webデザイナーの仕事

Webデザイナーをあきらめないために心掛けていた4つのこと

この記事は2019年以前他サイトに執筆したものを引越し掲載しています。

制作会社のデザイナーに就職する以前、35歳未経験だったので50社くらい落ちました。

希望職の就活で落ちても落ちてもあきらめないでトライする人って、もともとメンタルが強いとか、やる気がめちゃくちゃあるみたいに思われそうですけど、私の場合はそのどちらでもないです。むしろ真逆。

そんな私でも就職を決めるまでなんとか続けられたのは、これまでいろんな人や作品や考え方と出会ってきたから。

その中で就活中心掛けていたことを4つ紹介します。

  1. 悩むならなってから悩む
  2. 就活は確率のゲーム
  3. 決して「年齢で」落ちているのではない
  4. 一人だけでがんばらない
 

”悩むならなってから悩む”

就職活動中、仮に就職できても30代だと厳しいかなあというのは思っていました。実務についていけるかなあ…と。そもそも現場のイメージもわかないし。

そう考え始めると、なりたいのかどうかもよくわからなくなってきます…

そんな時、マンガ「宇宙兄弟」に出てくるこの言葉をいつも思い出していました。

「最初の動機なんてみんな大差ないわよ。好奇心だったり憧れだったり。

入り口は夢見る少年少女よ。

悩むなら、なってから悩みなさい。」

宇宙兄弟ー金子シャロン

宇宙飛行士選抜試験時いろいろ考えてしまう主人公ムッタに対して、第二の母親とも言える天文学者のシャロンがかけた言葉です。

特に、Webデザイナーは「なってから悩む」もの

Webデザイナーという職種には特徴があります。それは…とにかく自由度が高い!ということ。具体的には下記。

【働き方】どんどん転職するのは当たり前。自宅勤務などもある。会社に所属しないフリーランスも多い。

【方向性】伸ばしたいスキルや方向性は人それぞれ。イラストが得意な人、プログラミングもできる人、企画力が高い人などなど。

つまり他の業種に比べて、仕事の幅がとても広くて自由。

「なってから悩む」ことはきっとたくさんあります。

未経験者の参入障壁があるってこともポジティブに捉えると、業界に入りこむところが一番キツイだけ。もちろん入ったら楽ってわけじゃないけど、壁っていうより特にどの道を進むかいい意味で迷うことができるようになる。

最初はアルバイトになるかもしれない。その場合でも応募条件が経験年数1年以上の正社員求人なら意外とたくさんある(たったの1年!)から動きやすい。

さらにフリーランスになれば年齢も関係なくなるっていうのは常に頭に入れていました。

悩まないために具体的にやったこと

D・カーネギー著「道は開ける」には

「悩む暇がないほど忙しくして、その日一日の活動に集中せよ!」(意訳です)

って書いてあるので、スキルアップに忙しく時間を使うことで考える時間をなるべく作らないようにしていました。

就活ってやることは少なくないですけど、それでも仕事している時に比べたらはるかに時間がある。それが悩んだり考えたりしてしまう原因なので。具体的には、毎日予定して制作をするようにしていました。

就活は確率のゲーム

就活がうまくいかないと焦りますし、はじめはあったやる気もだんだんと下がってしまいます。心理学で言う学習性無力感…的な。

学習性無力感…どうせやっても無駄だと思い、できることもやらなくなってしまう。犬が絶対逃れられないと思うと回避行動をとらなくなってしまう実験が有名(心理学者セリグマン)

若い人はそうなりそうなほど選考に落ちないかもですが、30代以降だとここは重要です。私が常に頭に置いておきたいと思っていたのは未経験職の就活はそもそも落ちるゲームだということ。

一回のチャレンジで成功することはほぼないゲーム。営業やビジネスの本によく出てくるやつです。

成績のよい営業マンほど断られている。そして何十回断られてもむしろポジティブに捉えている。なぜならもともと何十回に1回成功するゲームみたいに捉えているから。1回1回の失敗は無駄とは考えずに、むしろ失敗を1個増やすたびに成功に近づいていると感じる。試行回数が多いから加速度的に成功に近づいていく…というような。

私は2回職業訓練校に通っていて就活に取り組むいろんな人を見てきました。落ちたときに「ポートフォリオも履歴書も交通費も時間も無駄になった~」って言う人は残念ながら最終的にあきらめる人でした。

またなりたい気持ちが強すぎる、一番入りたい会社に思い入れを持ちすぎる、こういうのはかえって就職(=スタートに立つこと)を遅らせてしまうかもしれません。

特にWebデザイナーは一つのところに生涯勤めるなんてことはまずないと思うので、言葉は悪いですが数撃ちゃ当たる的な意識を持つようにはしていました。

もちろん上記の営業マンの例みたいに常にポジティブだったわけではありません。現実としてずっと受からない可能性も否定できないので、弱気になることもありました。

ただ「さすがに100社受ければいけるだろう」とは思っていました(うろ覚えですが訓練校の経験談か何かで100社以上受けた人がいたみたいな話も聞きました)。そして100回落ちたらあきらめるかどうか改めて考えよう、と思っていたらその半分くらいで決まりました。自分の中で仮設定した不採用回数の上限に収まってよかったです。

決して「年齢で」落ちているのではない

よく「この歳だと転職は無理」みたいに言いますよね。特にWebデザイナーの場合、平均年齢が若い若い。求人の会社紹介をみると、平均が30歳とか20代とかもたくさんあります。

でも、実際会社は「年齢」そのもので切っているわけではないです。ただの第一関門、フィルターに過ぎません。まあ小さくはない関門なのは事実ですけど。

学歴や職歴などと同じです。ところがつい〇〇歳だと難しい…みたいな”ただの傾向”を額面通り自分に当てはめてしまいがちです。

これを悪い意味で意識してしまっているかどうかっていうのは結構大事だと思います。

あなたが面接官だったら年齢を気にして委縮している人と、年齢が上でも関係ないしむしろ長所もいっぱいありますよ!っていう人どちらを採用したいですか。

私は最初の頃は未経験で30代半ばということを気にしてしまっていて、完全に前者になってしまっていました。若い面接官に「30代で入った人はいますか?(20代ばかりだと年上が入ってきてやりにくくないですか?)」と聞いてしまったこともあります。でも逆に「歳を気にしていたらこちらもやりにくいです。気にしなければこちらも気にしない」という返事をもらってしまいました。 そりゃそうだ…おっしゃるとおり。ちなみにここはしっかり一次面接で落ちましたけど、年齢から来る引け目も原因だったなあと反省しました。

もちろん、気合だけではどうにもならないし長続きしないとは思います。ただ心構えとして、自分の中で年齢を言い訳にしない。年齢で切られているのではない、年齢の分合格点のラインが上がっているだけ。若い人との評価の差を埋めればいいだけ。こういう意識が大事なんじゃないかと思います。

若い人との評価の差を埋めるための行動とは、勉強やポートフォリオの充実。

一人だけでがんばらない

私が訓練校に通っていてよかったなあと思うのは、同じ目標を持つクラスメートと出会えたこと。講師との交流。

社会人になって、途中から違う道に切り替えようっていう人はそう多くはないです。だから同じ境遇で共感できる仲間は貴重でした。就職後の今でもそうです。

これが実際の学校に通う最大のメリットの一つだと思いますが、でもどうしても通うことができない人も多いと思います。

そんな人はオンラインスクールなどを検討されるかと思いますが、講師と連絡が取れる形のオンラインスクールもいいかもしれません。一方的に受講するだけ、というのではどうしても一人でやっている感がきついと思うので。

私の場合外部からの刺激という意味では転職エージェントも意外とよかったです。どんなにやる気が落ちてても一定の間隔で連絡が来ますし、エージェントってある意味本人以上にシンプルに内定というゴールしか考えてないので。

ちなみにどこか登録するならWeb専門のエージェントの方がいいです。大手の広く扱っているところだと、希望を伝えているにも関わらずWebデザインに関連の薄いところを薦められることも多いです。特に30代は(経験済み)。Web専門のエージェントならそれはないですし、業界やスキルアップについての具体的な話ができる、リアルな話も聞けるので、自然とやる気が維持できます。

”自分の敵はだいたい自分”

さて、この記事では就活中にモチベーションを保つためにやってきたことを書いてみました。

私自身の就活中を振り返ると、家族や身近な人から「無理だ」とは言われなくても(無理だろうなあ…)と思っていることは伝わってくる感じでした。

でもいい意味で周りの声に耳を貸さないっていうのも必要かなと思います。

私の場合Webデザイナーにどうしてもなりたい!っていうより、一度もやらずにあきらめたら絶対後悔しそう!っていう気持ちが強かったのでそれができました。本記事が同じ気持ちの人、それ以上のやる気をもった人の役に少しでも立てたらうれしいと思っています。

最後は就活中助けてもらった宇宙兄弟(本記事2940文字ぶり2度目^^)の言葉から。主人公ムッタは「(君にとっての)敵はだれか?」という問いにこう答えてます。

「俺の敵はだいたい俺です。

自分の”宇宙へ行きたい”っていう夢をさんざん邪魔して足を引っ張り続けたのは結局俺でした。

他に敵はいません。」

宇宙兄弟ー南波六太

定期的に思い出しています。

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