この記事は2019年以前他サイトに執筆したものを引越し掲載しています。
- 職業訓練を受けようと思っているけど授業の質は大丈夫だろうか?
- 今職業訓練を受けているけどなんとなく手ごたえがないんだけど…
という人向けの記事です。
私は訓練受講中の半年間は「なんとなく空回りしている…?」そんな感じでした。
ですが今半年間制作現場で経験してきてなぜそう感じていたのか、答えが明確になってきたのでそれについて書きたいと思います。
この記事ではこんなことを書いています。
- 職業訓練ではなぜ的を射た感じにならなかったのか
- 職業訓練のカリキュラムだけでは足りない部分をどうやって補うといいのか
訓練カリキュラムの特性を活かすため、参考にしていただければと思います。
職業訓練カリキュラムの弱点
結論から書くと、訓練カリキュラムの弱点とはWeb制作の全体像とデザインの基本的な考え方を学べないことです。
全体像とは企画→設計→制作→運用というワークフロー全体のこと。
デザインの基本的な考え方とは、ゴールから逆算してサイトを設計していくビジネス上の考え方のこと。
別に就職前に全部を詳細にやる必要はないと思いますし、やったところで実務に入らないとイメージできないことの方が多いです。
ですので制作中心で学習していくのはいいのですが、あまりにもいきなり制作をやりはじめ、制作のみで終わるというカリキュラムなのが後から考えると残念でした。
まあ先生にもよると思います。でも良くてもたまに関連としてちょこちょこっと出てくる程度だと学んだうちに入らない。
実際の半年間のカリキュラム
私は半年間のカリキュラムを受けましたが、大雑把に言うとこんな感じのカリキュラムでした。
- デザインソフトの使い方(2か月)
- HTMLやCSSの書き方とサイト制作(3か月)
- 卒業制作(1か月)
詳しくは以下の記事でまとめています。
卒業制作を除くと授業は正味5か月です。この5カ月間の授業内容はというと、デザインについてはツールの使い方、HTML・CSS・jQueryについてはその書き方を学びました。
繰り返しになりますがツールの使い方と言語の書き方に終始していて、Webの全体像やデザインの考え方などは全くカリキュラムに入っていません。
サイト制作も目的を達成するためにどう設計するかという部分は抜け落ちていて、ただ「今まで習ったことを使って組み立てましょう」というコーディングの練習問題みたいな感じ。ワイヤーフレームもデザインカンプも作りませんでした。
- ワイヤーフレーム…ページのざっくりとした設計図(「ここに見出し」「ここに画像」みたいなやつ)
- デザインカンプ…ワイヤーフレームに色や画像を入れた完成イメージ
これはフローで言うと企画→設計→制作→運用のうち制作のみ。
せめてもう少し設計がやれればいいなと思いました。
これでどんな問題が起きたか
こんなカリキュラムだったため、例えば職業人講話やエージェントから「ディレクターとデザイナーの違い」みたいな話を聞いてもいまいちイメージができない。表面的な仕事の区分けでしか捉えられないから。
Web制作の全体図の中で、自分がどこを学び何ができるようになったのかモヤモヤしっぱなし。どんな工程や役割があるのか、制作の流れやそれぞれのポイントを把握できていない。
志望動機や会社の選び方も表面的になってしまっていたのは、Webデザイン制作の核心部分について何もわかっていなかったからだとも思いました。
ちなみに他のクラスではこのあたり多少上手く織り込んでいたところもありました(卒業制作中、隣のクラスの授業が壁越しに聞こえていたので)。
でもそのあたりは先生次第ですし、カリキュラムに明確に時間数として割り当てられてはいない、それ用の教材もない以上限界があります。
職業訓練は”技術”を身につけるという考え方が強いので、どうしてもわかりやすい技術つまりツールの使い方や言語の書き方に偏重してしまうのは今後も避けられないだろうと個人的には思っています。
Web制作全般の流れとデザインの考え方を学ぶのに役立った書籍
けっきょく後々書籍で独学することになりました。ほとんど実務に入ってからです。
私の場合以下が役立ちました。
特に書籍の序盤がいいです。デザインとは何かというところから始まって目的やターゲットなど重要な順にまとめてくれている感じです。図や実例も多く、短く区切られているので寝る前に数ページずつ読んでいくなど無理なく学習できると思います。
こちらはディレクター向けですがデザイナーを目指すうえでも余裕があれば一読しておくとよいかもしれません。実務未経験だと難しい内容に感じると思います。ただそれでも目を通しておいた方がいいと思うのは、企画~運用のような実務の流れを何となくでもイメージしておくことができるようになるからです。
Webの全体像とデザインの考え方はいつ学ぶのがいいのだろうか
私の場合卒業後に必要を感じて書籍などでWebの基礎、デザインの基礎を学ぶことにしましたが、在学中に学んだ方が断然効率がいいと思います。
訓練ではツールの使い方や書き方を中心にやるので、それに合わせて少しずつ同時進行でもよさそうです。理論だけでサイトを作れないと頭でっかちになるだけですし、逆にサイトを量産しても自己流だとせっかく制作しながら伸ばせるものも伸びない。
もしこれから訓練を受講するという方は、ツールの操作や言語は授業で十分やると思うので上で紹介したような書籍(基本のWebデザイン制作の流れを扱っているもの)に目を通しておくといいと思います。
また最近のデザインスクールはUXやUIといった部分を扱うことも多いので、そういったスクールを検討するのもいいかもしれません。
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