メタディスクリプションは基本的に書かないことにしました。その理由をサイトの調査結果を踏まえてまとめました。
また記事の後半では、書かない代わりにするべきこと、そして書くとしたらどう書くべきかもまとめています。
■この記事の「メタディスクリプションを書かない」という意味
メタディスクリプションを書かないと言ってもメタタグ(meta description)自体は置きます。
WordPressではメタディスクリプションを設定しない場合、本文の冒頭数十文字が設定されることが多いです(テーマやプラグインによります)。この記事の「メタディスクリプションを書かない」というのはこの状態を指しています。
この記事の内容はあくまで個人的な方針や考えです。一般的に言われていることに逆らっている部分もあるので自己責任でお願いします。
メタディスクリプション執筆の有無によって差は感じられないデータ
メタディスクリプションを書かないことにした理由です。
結論から書くとこうなります。
運営サイトを分析してみた結果、書いても効果が感じられないから。書かなくても1位を取れるし高クリック率だから。
以下は割と長く運営しているサイトの一つを調べた結果です。※下表はわかりやすくするために記事数と項目の両方を絞り簡略化しました。実際にはもっとデータがあるので、それらを根拠に以下書いていきます。
記事 | 平均順位 | クリック率(平均CTR) | meta description設定 | 検索結果への反映【表示の実際】 |
記事A | 1位 | 56% | あり | 反映されず【タイトル+見出し】 |
記事B | 1位 | 42% | あり | 反映されず【冒頭文がそのまま】 |
記事C | 2.2位 | 40% | あり | 反映されず【記事の要点、答え】 |
記事D | 1.1位 | 42% | なし(冒頭自動取得) | 【記事最後のまとめ部分から】 |
記事E | 1.6位 | 32% | なし(冒頭自動取得) | 【要点となる見出しの冒頭部分】 |
さてこういった調査からわかったことは以下です。
- meta descriptionを設定してもそれが検索結果表示に使われることはほぼ無い(上表の5つではゼロ)。
- meta descriptionを設定しなくても高順位、高クリック率は取れる。
- 検索結果ページの表示がどんなものであれ、クリック率にはそこまで影響しない(高め安定だから)。
現在メタディスクリプションにSEOの直接的な効果はないとされています。ただそれでも「副次的な効果があるから書きましょう」と言うのが一般的によく見かける情報です。でも上記のようにその副次的な効果(主にクリック率など)が感じられませんでした。
副次的な効果もなにも、そもそもメタディスクリプションを一生懸命書いて設定してもほとんど反映されないのですから。というわけで補足として以下。
反映されないメタディスクリプション
スニペットの表示において運営者が設定したメタディスクリプションなどしょせん「使われることのない予備」みたいなものなのだ、というのが私の現時点の見解です。
Googleから引用します。
スニペットはページ コンテンツから自動的に生成されます。スニペットは、ユーザーの特定の検索内容との関連性が最も高いページ コンテンツを重点的にプレビューするように設計されています。つまり、Google 検索では、検索ごとに異なるスニペットが表示される可能性があるということです。
…
メタ ディスクリプション タグ: Google では、ページ コンテンツから直接取得できる情報よりもページの概要をユーザーに正確に説明できると判断した場合、 タグのコンテンツを使用してスニペットを生成することがあります。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/snippet?hl=ja
私の雑な理解で超訳すると「AIに勝てた場合のみメタディスクリプションタグを使用します」。
そして私としては、AIに勝てる気はしない。というか実際勝てていない(そのまま表示されたことがほぼゼロだから)。勝てないならいらない。
世の中には「一応」とか「予備」が大切な分野もあります。逆戻りして価値が上がるという分野もあります。でもこれに関しては予備的な意味も感じませんし、逆戻りも考えられません。
そもそもの無駄はここにある
上記までで「書いてもどうせ採用されないし、1位&高クリック率も取れる。ならメタディスクリプション設定をわざわざ書くのは無駄」という結論になりました。
ですが無駄という点ではもっと大きなものがあります。
それは、アクセスが0~2/日のような記事(一生懸命書いても、結果がそうなることはままある)にもメタディスクリプションを書く時間とエネルギー。
サイトやブログではページの価値は極端になりがちです。つまりアクセスがたいへん多い記事とほぼゼロのような記事に分かれることが多いです。これは長くサイトやブログを運営していると感じる人は多いと思います。
直接的なSEO効果はない(つまりメタディスクリプションの力で上位表示させることはできない)のだから、順位が圏外みたいな記事にメタディスクリプションを書くのは時間の無駄です。
meta descriptionタグは数十文字にすぎないですが、書くのはけっこうコストがかかります。時間にすれば2分程度ですが、時間以外の精神的コストが意外にバカにできません。一記事書くごとにやらなければならないタスクが多いと思うとモチベーションに影響します。例えば私の場合アイキャッチが作業的に重たいです。一記事あたりのやることリストは少ないほど執筆の腰が軽くなります。
というわけでもし書くとしたら上位を獲得しアクセスが増えたページのみにすればよいです。
この記事のタイトル「とりあえず…書かないことにした」の「とりあえず」とは、記事公開のタイミングではとりあえず書く必要はないという意味も含めています。
メタディスクリプションを書かない代わりにすること
メタディスクリプションを書く代わりにやったほうがいいことです。これは単に浮かせた2分程度の時間とエネルギーを他に使おうという話ではないです。
むしろメタディスクリプションを書かなくても、検索結果表示に出るテキストが優れたものになるようにしよう、ということです。
Google側でうまく抜粋・まとめてくれるような構成と長さにする
今回調べていて感じたのですが、Googleがスニペットをうまく自動で表示してくれる記事とそうでない記事がありました。※Googleのスニペット…検索結果に表示されるサイトの説明文
かんたんに言うと構成がわかりやすく要点を絞れている記事はうまく自動表示されます。文字数で言うと4,000文字くらいがこうなりやすいです(私の場合)。
そうでない記事だとメタディスクリプションを書いたのに冒頭文がそのまま表示されていたり、ちょっとよくわからない抜粋になっていたりしました。これは執筆直後は情報量が豊富で濃い記事を書いたつもりでしたが、後から見ると冗長だったり論点が飛んだりしているようなページでした。8,000~10,000文字など長すぎる記事も多かったです。
Google「長いし話飛んでいるしめんどくさ、もう冒頭文でいいや」
だとしたら悲しすぎる。が、どうやらそれが現実のよう。
結局スニペット表示を良くしたいなら、メタディスクリプションを一生懸命書くよりも記事執筆前の構成(主に見出し)をしっかり練ることが一番大事なのだと思います。
補足:箇条書きという作戦。
私の書く記事は主に2つのスタイルに分けられます。
- 箇条書き系 例「〇〇のスピードを上げる方法〇選」
- 掘り下げたり拡げたりする系 例「〇〇についての原因と対策、そして見えてきた未来」
自分の中では明らかに後者(2.)の方が時間をかけて書きますし自己満足感も強いです。でも悲しいことに大抵上位をとるのは前者(1.)です。
それは仕方がありません。まず箇条書き系のほうが検索のニーズにこたえやすいですし、客観性や普遍性も持たせやすいです。後者は独りよがりになりがち。
そしてなによりWebでは飛ばし読みが当たり前だからです。書籍のように順を追わないと伝わらない書き方ではだめです。見出しだけで内容がパッとわかるのがベスト。というわけでできるだけ箇条書き系の書き方にするように心がけています。
そしてどうやらGoogleのスニペット(検索結果に表示されるサイトの説明文)はこの箇条書き系の記事と相性が良いと感じました。こういう箇条書き系だと勝手に要点を抜粋をしてくれる確率が高いようです。
アクセスが多いページのみブラッシュアップする
先述のように上位表示されていてクリック率が高いページでもメタディスクリプションは書いていない(冒頭文取得)記事はたくさんあります。それらの記事については今後もそのままにしておこうと思っています。
ただ書いてみるのもありかなとこの記事を書きながら少し思いました。
というのは上位表示されている記事だとコストが安いからです。まずすでに上位表示されているので下位記事のように空振り作業になることはありません。また人気記事の手入れはモチベーションも高くできます。つまり精神的コストがかかりません。
そしてこの記事を書きながら思いついたのですが、Googleの自動抜粋をさらにブラッシュアップする形で書くという作戦が使えそうだからです。
つまり現在表示されているスニペットがよさそうなら、それに少しだけ手を加える形でメタディスクリプションを書きます。今回の調査では少し無駄や改善ができそうな点を発見できました。例えばこんなのがありました。
記事タイトル
見出し(ほぼ記事タイトルと同じ)
要点箇条書き
記事タイトルが大きな文字で表示されているわけですが、すぐ下のスニペットにもほぼ同じ文章があったりする、といった具合です。
まあとにかくGoogleの自動抜粋をベースに、無駄をそぎ落としその分なにかプラスアルファするというのはありかなと思います。思いついただけで試していませんが。
この”AIベース作戦”のよさそうなところは、自然とGoogle側の望むものに合致できること、自分でゼロから書かなくてよいこと、です。
ちなみにアクセスが増えたページを重点的にブラッシュアップする意識は大切です。リライト、画像や図の充実、広告等の分析もそうです。とにかくアクセスが多い記事に集中投下したほうがいいです。
私の場合そもそもメタディスクリプションの書き方がだめだった…みたい
今回自サイトの結果を調べてみて、メタディスクリプションを書いてもほぼ反映されないということがよくわかりました。
それどころかせっかく書いているのに冒頭文がそのまま表示されている記事すらありました。ただそもそも私の場合書き方が根本的にだめだったのも原因の一つだったみたいです。
最初の頃の私の書き方。「こんな人が…こんな問題を解決できるように…まとめました。」「〇〇のよくあるパターンを体験から挙げてみました。」
ググってみると、けっこうこういう書き方を推奨している記事も多いです。ターゲットとか共感とか。
でも実際の表示(自動抜粋)は…。「この問題の原因はAやB。解決策はXとY。」「〇〇のよくあるパターンはA・B・C・D」このAやBとはまさに記事の要点(だいたい見出しになっているようなこと)です。
私もユーザーの立場ならこのほうがいいです。
前者はクリックしてほしいから中身を出し惜しみしているとも言えます(そんな気はなくても)。クリックしてほしいから具体的な中身に触れないのはユーザーの益を本当に考えているとは言えません。それに自分のユーザー体験を思い起こしてみると、ちゃんと要点を列挙して表示してくれているからこそ信用と確かな期待を持ってクリックします。
Googleが言う「宣伝文句のようなもの」とは
なおGoogleの説明では「メタ ディスクリプション タグは特定のページの内容を簡潔かつ適切に要約したもの」と言っていますが、同時に「宣伝文句のようなもの」とも言っています。
私はこの宣伝文句を勘違いしていた気もします。宣伝文句のくだりの実際の記述は「つまり、そのページがまさに探していたものだとユーザーに確信させる、宣伝文句のようなものです。」となっています。これを読むと、ここで言う宣伝は一般的な広告イメージとは異なる気がしてきます。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/snippet?hl=ja
「こんな人が…こんな問題を解決できるように…まとめました。」これでは確信させることなどできません。ネットはどこのだれが書いたかわからないのですから「私は実体験もあるので具体的に説明できます」と言ったって伝わるわけありません。ではどうするか。記事の結論や具体的な内容を書くしかありません。きっとこれこそが確信させる方法です。
記事下のスニペットで理解して去っていく人がいる。そのくらい要点をしっかり書いてあげるのがdescriptionの理想的な書き方だと思います。欲張ってなんとかクリックさせようとするよりこのほうがGoogleも訪問者もみんな満足です。
まとめ
meta descriptionをわざわざ書かない理由 →書かなくても高順位&高クリック率は取れるから。書いてもほぼ表示されないから。時間とエネルギーのコスト。
meta descriptionを執筆する代わりにすること →記事の構成をしっかりする。要点を整理する。そうすればGoogleの自動抜粋で十分になるからディスクリプションを書く必要がなくなる。
meta descriptionを書くとしたらいつどう書くか →書くなら上位表示後でよい。書き方は、クリックしてページを見なくても要点をさっと把握できるくらいにまとめる。
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