この記事は2019年以前他サイトに執筆したものを引越し掲載しています。
「Webデザイナーの面接って、どんなこと聞かれるんだ?」という不安がありました。
この記事では35歳まで料理しかやったことのなかった私が、Webデザイナー面接で質問されたこと(や答え)をご紹介します。書類応募は50社以上、面接を7件ほど受けました。ほぼ全部Web制作会社です。
※記事の内容は制作会社ばかりなので事業会社のWebデザイナーだと質問の傾向が違うかと思います。
同じような試行錯誤をしている方もいるかもしれないと思い、少しでもお役に立つ情報が提供できたら、と思っています。
■Webデザイナーの就職先は大きく分けて、制作会社と事業会社がある
制作会社のWebデザイナー(この記事はこちらの話)…いろんな会社から注文を受けてひたすらサイト作って納品。管理や更新もやる。本当は納品した後のビジネス上の結果を出すのが大事なはずなんだけど…実際は作ってなんぼの商売。なので制作経験ははやく上がるし、いろいろな業界に関わることが多い。ブラックな可能性も高い。
事業会社のWebデザイナー…自社のサイト等を担当する。自社に関わるデザインのみなので、制作スキル自体は制作会社ほどは上げられない。作って終わりではないのでマーケティングやSEOなどの経験値は上げられる。ホワイト企業にいきたいなら基本的にこちら。
まずは面接官からの質問まとめ
短くはない記事なので、先にどんな質問が多かったかという結論から。
- なぜWebの中でもデザインなんですか?(なぜデザインの中でもWebなんですか?)
- 3年後の目標は?どうなっていたいですか?
- こんなサイトが作りたいというのがあれば挙げてください。
- これまでの仕事で難しいと感じたこと、それをWebデザイナーとしてどう生かせますか?
- 今のところデザイナーとコーダーならどっちよりだと思っていますか、どちらをやっていきたいですか?
その他聞かれたのは、Excelなどの経験、ネットワークやサーバー系の知識、やる気の確認など。
またポートフォリオの作品については時間と理由を聞かれることが多かったです。
それでは上記蛍光マーカーの部分を中心に、以下順に詳しく書きます。
志望動機やビジョンについての質問
やはり面接と言えばまず最初に来るのが志望動機です。最初にして最大の関門です。
私の場合こんなことを思ってました。
- 年齢を重ねて異業種から転職。どう言えば伝わるのだろう
- 「デザイナー」という響きからして、何か特別な理由が必要そうな気がする
- 絵を描いてきたわけでもないし、Webも詳しくない…アピールできない…
今考えるとデザインという仕事がまるでわかっていなかったのだなと思いますが…
振り返ってみると、実は最初の志望動機を答えた後に本当の質問がはじまることが多かった気がします。動機を探るような質問がけっこうたくさん飛んでくることが多かったです。
探るというのは、「ほんとにやり続けたいんですか?」「入った後何年もかけて地道にやっていくんですよ?わかっていますか?」という感じです。実際にはもうちょっと柔らかく聞かれますが。
けっきょく迷いや自信の無さを持った状態で志望動機を述べるから、ツッコミの質問を受けやすくなっていたのかもしれません。
最初の志望動機の時点で「入社後のイメージも目標も大丈夫です!」と伝わるのが理想です。ただ未経験ではなかなか難しいです。
ツッコミの質問としては以下がよくあるパターンでした。
なぜWebの中でもデザインなんですか?
ディレクターとかエンジニアとかもある中で、なぜデザインという領域を選んだのかです。
私の場合は「Webにもともと興味があり…」という志望動機だったので、「Webの中でもなぜデザイン?」という二の矢がきました。
もし「デザインや絵が好きで…」という志望動機なら、逆パターンで話が進むかもしれません。そういう人はまず「なぜデザインの中でもWebなのですか?」という質問に明確に答えられるようにしましょう。
「Webの中でもなぜデザイン?」→ちなみに私はこんな感じで答えていました。
「私はこれまでずっと料理というモノづくりにやりがいを感じてきました。料理は食のサービスの中ではお客様の口に入る前の最後の仕事です(料理の前に農家や加工業者などたくさんの人がいるので。)一番近くで直接反応を見られるからこそ、小さな工夫を重ねることの大切さを感じてきました。Webの中でも特にデザインをやりたいと思った理由も同じです。ユーザーに一番近い距離で、工夫を積み上げられる仕事をしたいと思っています。」
別バーション。
「今までやってきた料理とWebデザインに同じやりがいを感じられそうだと思ったからです。最高の食材でも組みあわせ次第では真価を発揮できないことがあるように、いいコンテンツでもデザインでダメになってしまうことがあります。逆に普通の食材でも料理の工夫次第で化けることもあるように、Webの世界でも見せ方次第でより素晴らしくもできます。効果を最大にできる、結果が出せるデザイナーを目指します。」
こじつけっぽいですけど、いや実際こじつけなんですけどそれっぽくしようと必死でした笑。ただ後から考えると、職種が変わっても共通点を活かす、という方向性に固執しすぎた感はあります。
3年後の目標は?どうなっていたいですか?
3年後の目標。これは入社後の長期ビジョンをもっているか、キャリアを描けているかの確認ですね。
「正直まだやったことないのでそんな先のことわかりません」って思っていました。
でもおそらく面接官もそれはわかった上で聞いています。なので方向性はともかく上を目指していることを伝えていました。
「まだ現場を一度も経験していないのでどの方向に進んでいきたいのか、正直わかりません。ですが、3年後にはデザインのリーダーあるいはディレクターとしてチームをまとめられるようになることを目標にしています。(またはプログラミングに強いコーダーのスペシャリストになります。)」
社内で他をひっぱるリーダーになる、もしくは技術を極めてスペシャリストになる、のいずれか(または両方)をはっきり伝えるようにしていました。
ちなみに2か所でこのビジョン系の質問を受けましたが、いずれも「3年後」でした。
さらにつっこまれて、個人としての制作スキル等は除いて企業内でのポジション・キャリアプランを答えてほしい…というパターンもありました。
ちなみに面接の定番質問と言えば、「弊社を希望した理由は?」ですよね。でも制作会社の面接では、これは聞かれないパターンが多かったです。事業会社なら絶対聞かれそうですけどね…一応参考までに。
デザインへの関心、目標
こんなサイトが作りたいというのがあれば挙げてください
その場でPC等で実際にWebページを示して答える質問です。これは結構聞かれるので準備しておいた方がいいかもしれません。
どうしてこれを作りたいと思うのか、自分の目標やビジョンと結びつけて答えるのがいいのかなと思います(←ぜんぜん見当違いかもしれません)。
私の場合は、料理をやってきたのである包丁メーカー(販売店)のサイトを挙げました。
理由はこんな感じにしていました。
高い専門性を持ちながら家庭で料理する人の目線でコンテンツが作られている。ブランドとしての高級感がありながら敷居の高さは感じさせないデザイン性がある。他メーカーのサイトでこうした両立ができているところはなく、業界の中でも突出している。自分もデザイナーとして消費者との架け橋になれるような仕事、結果を出せる仕事がしたいと思っている。
その他今後の成長をはかられるような以下の質問が多かったです
- これまでの仕事で難しいと感じたこと、それをWebデザイナーとしてどう生かせますか?
- 今のところデザイナーとコーダーならどっち寄りだと思っていますか、どちらをやっていきたいですか?
その他制作会社でよくある質問
やる気の再確認
やる気…というかどれくらい犠牲を払えるか、みたいなことを確認されたりします。
残念ながら…ですが、以下のように確認されたことがあります。
- 客先常駐に抵抗はないか?
- 繁忙期の残業に抵抗はないか?
もうこれは本音はダメでも「はい!」って言うしかないやつですね。未経験者にはあまり選択の余地はないです。
どうしても嫌なら制作会社ではなく事業会社がいいと思います。運よく私は「常駐なし」「残業の常態化なし」の会社に入れました。
制作会社だとサーバーやネットワーク知識も重視
面接前はデザイン以外だとExcelなどofficeソフトのスキルがよく聞かれそうだと思っていました。実際それもよく聞かれますが、意外と制作会社の面接官が重視するのがサーバー関係でした。
質問はこんな感じです。
- 作品はどうやってアップロードしましたか?FTPソフトの使用は大丈夫ですか?
- 自宅のネットワーク環境はどうなっていますか?
- 学校の授業以外(デザイン以外)でやったことはありますか?
最初なんでこんなこと聞くんだろうと思っていたのですが、入社後に気づいた点として、制作会社ではサーバーやネットワーク環境、データベースなどは避けて通れない分野です。特に既存サイトの更新やメンテナンスが多い会社だと、サーバー側の問題とかも含めて対応を考えることもあるので必須です。
でもWebの中でもデザイナー目指す人ってその辺苦手な人が多いと思います。私もとても苦手で会社ではいつも詳しい人に助けてもらっています…。
ですのでネットワーク・サーバーなども勉強しています…努力してます、というのが伝わるとおそらく評価は上がります。
ポートフォリオ作品についてよく聞かれたのは、制作時間
ポートフォリオの作品についての質問は以下が多かったです。
- このサイトはどのくらいの時間で作りましたか
- このサイトはどういう理由で作りましたか(授業なのか、テーマは決まっていたのか、など)
- どの部分を作りましたか(このイラストは?文章は?など)
この中でも特に制作時間を聞かれることが多かったです。面接官が主に聞きたいのは制作スピードのようです。あるいは時間やスピードの意識を持っているか、なのかもしれません。
ポートフォリオに制作時間を書いておいても「どこの作業にどれくらいの時間を使ったのか」とか。
すごく時間がかかってしまった、という場合どうするか
後から思ったことですが時間がかかった部分と理由を説明するとよい気もします。例えば「この部分は学習の応用のためにはじめての機能を試してみた」「他のパターンも試作したので2倍かかった」など。こうすれば単に時間かかりすぎ…ではなく学習意欲と向上心の現れみたいになるかも?しれません。また単に「〇〇時間です」などと答えるよりも自然に会話を広げやすいかもしれません。
逆質問タイムの使い方
「何か質問はありますか」の時に私は企業への質問ではなく、以下のようなことを聞いていました。
- ツールとしては何を使える人が欲しいのか?
- 一番市場価値が高いと思うのはどんな人材か?
- 未経験者にスキル面で求めることは何か?
もしかしたら「こいつはうちで長く働く気があるのだろうか?」と思われてたかもしれません。笑
正直落ちるのが当たり前だと思って面接を受けていたのもあって、ただでは帰りたくないと思って質問していました。次に(他の応募先で)面接を受けるまでに何を勉強すればいいのか聞いておこう、的な。
でもこれが意外にも高評価?になったのか、「熱意と真剣さが伝わってきましたので」という理由で最終面接に進んだところもあります。「未経験者はどうすれば採用ラインに乗るのか、どうか教えてください!」と必死な人なら、聞いてもマイナスにはならないのかもしれません。おすすめはしませんが、結果的にうまくいったこともあったので一応紹介しました。
本当はその会社に興味を持っていることが伝わる質問が王道だと思います。でも正直Webの制作会社というのはその会社自体にはそこまで興味を持てないことが多かったです。
ちなみに上記「未経験でもどんな人材なら欲しいか?」などの答え要旨は以下です。複数社でだいたい共通していました。特にWordPressはキーワードとしてよく上りました。
- WordPressができる人(案件自体もWPが多いしWP開発ができるということはPHPもできるということなので)
- コーディング力(最初にやる仕事は修正・更新・作られたデザインを具現化することなので)
学校の先生やエージェントもいろいろアドバイスをくれると思いますが、やはり制作現場の人の話を生で聞けるのは一番貴重です。
実際に面接官のアドバイスを聞いて実行した結果、後の面接で合格をもらえました。
合格できる案件に接触する
個人的な体験記事でしたがここまで読んでくださった方ありがとうございます。反面教師でもなんでも何か参考になればうれしいです。
最後に補足ですが重要なこと。就職の合否は面接の内容以外で勝負が決まっていることも多いです。どんなに面接内容がベストでも会社と合わなければ落ちますし、他の応募者次第でもあります。よく戦いや会議で「始まる前に勝負がついている」と言われるのに似ています。
ベストを尽くしても勝てない勝負ばかりでは×です。「受かりやすい案件」「相性のよい会社」に応募しているか、発見できているかです。ただそれは未経験の自分ではよくわからないです。そこでその部分をやってくれる転職エージェントを活用することをおすすめします。私も活用しました。
自分で手当たり次第に探した求人ではなく、適切な案件を紹介してくれますし、面接の受け答えや書類のサポートなども希望すれば受けることができます。
まとめ
未経験Webデザイナーの面接でよく聞かれたこと
- 志望動機…特になぜWebなのか、なぜデザインなのか
- 3年後の目標…キャリアのイメージができているかなど
- どんなものが作りたいか(例として挙げるサイトなどを用意しておくこと)
- サーバーやネットワークなどについて確認されることもある
- ポートフォリオ作品でよく聞かれるのは「時間(内訳や理由)」
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