Webデザイナーの仕事、会社だと集中できませんでした。
私は環境によっては著しく集中を保つのが苦手なようです。とくにマルチタスク。また周囲の影響があるとおそらく他の人以上に散漫になります。HSPの気質も関係が深いと思っています。
どういう要因で集中できなかったのか、書いておこうと思います。
集中できなかった要因
密室があって一定時間隔離してもらえるなら最高なのですが、一般的な会社なのでもちろんそうはいきませんでした。
顧客からの電話
電話がかなり多めの会社だったのですがとにかくそれが苦手でした。協力会社もわりと多くが電話で、なんというか昭和チックでした。
電話がかかってくると簡単な問い合わせや修正依頼でも数十分のロスになる感じでした。実際の作業時間の3~4倍くらい持っていかれるイメージです。強制切り替えをさせられるとブツッと集中とやる気がぶった切られるのです。
今やっている作業をいったん切り、関係資料を開いてその話を把握するだけで脳のリソース大量消費です。自分が担当した案件ならまだ話は早いですが、他人が作った担当サイトもたくさんあったのでなおさらです。
私はまだましでしたが上司は一日中電話だらけでした。今考えるといつ制作に集中しているんだろう、というくらいです。
クライアントの連絡は電話が基本。私には「この会社で続けるのは難しい」と感じた要因の一つです。
社内のチャット
社内の連絡はスカイプのチャットが基本でした。案件や担当顧客ごとに情報共有し、チャットで話して決めていく感じです。
「細かい点や経緯まで共有」には良い点もありますが、私は苦手でした。特に自分が担当ではない案件だとしてもチャットのメンバーに入れられてしまうこと。おそらくですが、上司がいろいろな案件の進行の仕方を学ばせてくれようとしていたのだと思います。
ただ毎日数十件も飛びかっているのはきつかったです。集中作業中は1~2時間無視を決め込むこともありましたが、あとでまとめて読むのも意外ときついです。また自分が主担当の件がまぎれていた場合は長時間無視だとそこでみんなの話が止まってしまうので、結局定期的にチェックしなきゃとなります。
チャットの雑談や冗談も苦手でした。近い席同士の直接の雑談や冗談は好きでしたが。結局画面を見ていることには変わりないため気分転換としても中途半端です。
チャットの多さは、電話ほどではないですが、集中力が下がる大きな要因の一つでした。
更新業務
更新を委託されているサイトがそれなりにあったため、新規制作になかなか集中できないことがありました。
月ごとの定期更新になっている場合は最初から予定に含めやすいのでまだよかったです。いっぽう不定期かつ頻繁というパターンがなかなか大変でした。
更新や管理担当は自分が制作したものが毎月加えられていきます。
単純に月数や年数が増えるほど仕事が多くなっていくという仕組みはおかしい、というのも強く感じていました。
複数案件並行
複数の新規案件が並行していくケースも集中を欠くパターンでした。
特にほとんど納期が重なったり納期間際で別件の急ぎの依頼とかはきつかったです。また納期やスタートがちょうどよいズレかたをしている場合でも、どうしても次の件やそのまた次の件が頭にちらついて集中を欠くことがありました。
そういう時でも一つ一つの目の前の作業に集中できればよかったのですが、どうしても焦りと混乱というパターンになりがちでした。切り替えが下手なタイプです。
経験値が足りないというのもあったと思いますが、複数の制作案件を抱えているという状態が苦手でした。
その他
- 通勤…電車でかつ混んでいると数分でも意外と消耗します。まあこれは誰でもそうかもしれませんが、やはり自転車や車通勤とは全然違いますね。
- 単に人と接すること…別に挨拶や雑談が大の苦手というほどではないですが、人間に接触するだけで無意識に神経を使うところはあります。会社で人との接触は避けられないのでやはり自宅で仕事は最高です。
- 安定感を求められる…私は毎日のコンディションが安定していなくて、やる気のムラが多い方です。すごくやる気がある日は就業時間とか関係なく仕事しまくりたいし、やる気がない日は席に座っても何も進まないくらいダメです。会社に行くと一定のパフォーマンスが求められるので淡々と安定しているのが苦手な私はきつかったです。
集中するための対策
集中の一番の敵は電話、次に社内連絡だったのでそれらを避けるには就業時間外を使うしかありません。
就業時間外は外部からの電話はつながらず、また社内のチャットもオフィシャルな情報はなし、という状態でした。就業時間以外が環境的にもっとも効率が良いというのは、考えてみるとおかしなことです。
一番良かった(マシだった)のは朝です。ただこれの弱点は夕方はやく疲れてしまうことです。また朝の分だけ終業時刻にダッシュで帰れればいいのですが、一定時間まで残業のお付き合いをしあう雰囲気があったためなかなかできませんでした。一時期心を鬼にして定時ダッシュしていましたが、周りの空気を考えると精神にくるのでそれはそれでだめでした。そもそも就業時間内でも環境の影響で勝手に疲れるような人間には、単独で定時ダッシュなんて精神的負担の方が大きいです。かくして早出しても無駄に会社にいて疲れる時間が増えていき、総合的に能率が落ちる結果になりました。
普通に遅くまで残業するという作戦が一番無難でいいかと思いましたが、やはり残業は超がつくほど効率が悪かったです。夕方ですら疲れでダメになるのに夜は基本無理です。私の場合残業時は同じ時間で半分くらいの仕事しかできません。
で、最後の手段が休日出勤です。休日の社内はほとんど一人かいても数人ですし、電話もチャットもありません。そのため集中はできますが、今度は週中の疲れがとれず週の半ばくらいには本当にきつい状態になりました。けっきょくこれも総合的に見て能率の低下にしかなりませんでした。
ちなみに早出はもちろん残業代も休日出勤の場合も手当はでません。だから自由にやれていたのはありますが、収入は増えない上に能率も上がらず結果疲れるだけでした。
まとめ
Web制作の仕事は自分には合っていると思います。ただ会社という環境で働くのはなかなか難しかったです。
周囲の影響を受けにくくマルチタスクが得意な人は会社が向いていると思います。あと残業や休日出勤してもあまりパフォーマンスが落ちない体力ある人も。
マルチタスクや集中力というものは技術と訓練でなんとかなるのかもしれません。ただ時間をかけてそれができたとしても長所を伸ばすことにはなりません。私のようなタイプはテレワークなど自宅の方が絶対能率が上がります。苦手な部分を克服するより環境を変えて長所を伸ばす方が、自分のためにも会社や世の中のためにもなると思います。
本記事は以下の記事からの派生でした。
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