実際の面接で直に聞いた、未経験のWebデザイナーに求められるスキル

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未経験のWebデザイナーの就職活動はなかなかに厳しいです。歳いってからだとなおさらです。

35歳だった私は50社以上落ちました。全部Web制作会社のデザイナー職です。最初のころは箸にも棒にもかからないという感じで落ちていましたが、だんだん面接の手ごたえがよくなり、二次面接などに進めるようになり、最終的には正社員で採用されました。

手ごたえが上がっていったのは「なにを補完すれば採用ラインに乗り始めるか」を把握してそれをやってみたからだと思います。この記事では私がWebデザインの実務未経験でも評価された点をまとめてみました。

記事の内容は私自身の一例ですし、2018年当時の話です。

目次

逆質問「どういうスキルがある人材がほしいか」で得た答え

私は面接の際に「未経験でもどういうスキルがある人材がほしいですか」「何ができたら採用されますか」と聞いていました。大抵最後のほうに「なにか質問等ありますか」と言われるのでそのタイミングでです。

熱意を伝えたい意図もありましたが、このまま漠然と受けつづけてもまず受からないだろうなと思いはじめたからです。つまりどうせ落ちるなら他社の面接で役立つように何か得て帰ろうという、ある意味やけくその質問です。

そこでいただいた答えを以下にまとめます。

なおアルバイトやアシスタントでの採用などの場合はこういったスキルより「Photoshopが素早く扱える」みたいな方が評価されるのかもしれないです。あくまで制作会社の正社員の場合です。

1位 WordPress(PHP)

どの会社でも決まって「WordPress」という答えが含まれていました。

少なくとも私が面接を受けていた2018年時点では欲しい人材No.1っぽかったです。今は2022年末ですがWordPressの需要と利用はそこまで変わっていないと思います。

ちなみに一番評価されるスキルはjavascriptだと思っていたので意外でした。学校などでそう聞かされていたので。

評価を得る取り組み方

この答えを得た後「WordPressのテーマを作る」という作業をしたのですが、PHPに触れたこともなかったので最初ぜんぜんわからず就活中の完成には至りませんでした。

ただ「作っている」「作ろうとしている」ということが評価されて合格に至ったのは間違いないと思っています。

実際面接中にその話をすると「構築する際のサーバーは?」「MAMP?どういう環境で開発している?」「テーマづくりでどこで行き詰っている?」など突っ込んだ質問を受けられるようになりました。

「○○ができるデザイナーになりたいです。」みたいな漠然とした会話しかなかった最初の頃と比べると、面接の温度・濃度がグッと上がりました。

WordPressは言語としてはPHPになります。つまり「WordPressができる人=ある程度PHPができる人」です。

ただしデザイナーが関わる範囲という意味ではPHPがバリバリ書ける必要はありません。それよりもWordPressという仕組みの全体像をつかんでおくことが大切です。

その点ポートフォリオサイトはWordPressで作るのがおすすめです。既存テーマで動きなどはプラグインなどでもOKです。内部的な仕組みはわかっていなくても以下を証明できます。

  • WordPressに触ったことがある
  • 管理画面に慣れている
  • プラグインをつかったことがある

面接で直接的に「WordPressでポートフォリオを作っているのは評価できる」と言われたこともありました。デザインや内容はひどかったですがとにかくWordPressで作ったというところが評価のポイントだったということです。

また「WordPressに拒否反応(触ったことがないなど)がなければいいです」と言われたこともあります。

これらを総合すると、WordPressを扱う制作会社の場合「WordPressに触ったことすらないとたぶんそれだけで落とされる」のかもしれません。

2位 javascript

次はjavascriptです。WordPressに比べると必ずというほどではないですが多かったです。※実はセットで「WordPressとjavascript」この答えが一番多かったです。

javascriptはWebデザイナーに対するアンケートなどでも身につけたいスキルNo.1になることが多いです。

javascriptスキルが欲しい理由とスキルの程度

現場では新規制作なら特にjQueryプラグインなどを活用することがほとんどです。時間的な面が理由です。

とはいえjavascriptの読み書きが必要になる場面は少なくありません。私も最初の一年だけで、自分で書く必要が生じたことが複数回ありました。また修正やリニューアル案件などでバリバリjavascriptで書いてある部分を改造しなければならないなどもありました。もっとも私の会社は職種で細かく分業するタイプではなかったからかもしれません。

なおWordPressに比べると、javascriptは「できないと受からない」という感じはありません。実際私はあまりわかってないですし。毎度ググってなんとか読解して乗り越える程度です。デザイナーはその程度でも大丈夫だと思います。ただ拒否反応があるときついとは思います。訓練校の先生はこのことについて「javascriptは書けなくても読めるだけで立派なスキルだ」という言い方をしていました。

javascriptへの取り組み方と面接での表現

振り返ってみると、落ちたときは「学校でjQueryをなぞった程度です。」と言っていました。合格できた面接では「javascriptも習いましたしできます。」と言いました。

より正確に表現すると前者になりますが、後者もウソをついているわけではないのがミソです。

実際のところどんな職種でも「何々ができる」というのはあいまいなものです。

未経験で「javascriptができる」と言える人は少ないはずなので、こう言えば「おっ」と思わせることはできます。経験者だとある程度業種・業界の尺度がありますが、未経験なら言い切ってしまうことも大事かもしれません。

中の人にしてみれば未経験者が言う「できる」なんて鵜呑みにしてはいません。実際学校で習ったHTMLやPhotoshopだってベテランから見たらたかが知れています。なのに「HTMLやPhotoshopはできる」と言ってしまっているのですから同じことです。

未経験の面接とは「今はあまりできていませんが全力でやります」という覚悟を伝える場だと思うようになったら手ごたえがあがりました。「javascriptできるって言ったくせにできないじゃないか」と入社後叩かれるリスクを全力で背負ってしまえばいいだけです(jsばかり書く職種だったらダメです)。

と言ってもさすがに基礎の基礎くらいはなぞっておかないと言えないと思うので、そこは訓練校などに頼らず少し自助努力はしました。プロゲートなど複数の教材を勉強する程度でもいいと思います。実際私はその程度でした。基礎の基礎さえできていれば先輩に質問できますし、だましだましいけます。現場で経験を積みながら「できる」をほんとにしてしまえばいいです。

3位 会社による

3位と書いておいてなんですが、1位と2位以外は答えがバラバラでした。

会社によって以下のような感じでした。(※なお応募先は全部Web制作会社で職種は「Webデザイナー」でした)

  • 将来的にリーダーとしてチームをまとめられる人
  • デザインだけではなく技術全般に強い人材
  • プログラム開発やサーバー関係の知識もある人

「Photoshopが使える」などのできて当たり前な答えはなかったです。そして着目したいのが「デザイン力」系の答えがなかったことです。作って保守してなんぼの典型的な制作会社ばかり受けていたからかもしれません。インハウスデザイナーやECやコンサル系のWebデザイナーだと答えは変わりそうな気はします。

全体の傾向としていわゆる「デザインだけ」という人材は需要が低そうです。また単に「Photoshopなどのツールが使える」「HTMLが書ける」などは専門家でなくてもできる時代なのでこれだけではだめなのもわかります。

まとめ

未経験Webデザイナー…制作会社の実際の面接で聞いた評価されやすいスキル

  1. WordPress(PHP)
  2. javascript
  3. 将来的なリーダシップ力、サーバーやプログラミングなど技術全般に成長できそうな人

1位と2位の両輪を最低レベル以上で押さえた上で、3位の+αをアピールするのが難関の未経験合格をもらうコツかと思います。

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