中国古典の格言をWebデザイン制作の指針にしてみる

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本質をシンプルについてくれる古典や故事が好きです。詳しくはないですが。

昔自分用に中国古典をWeb制作に適用したメモをつくりました。この記事ではその中から一部抜粋してみます。

本来意図されている意味とは別の解釈・適用をしているところもあります。ただそういう学び方もできてしまう古典の懐の広さが好きです。

目次

デザインに関すること

老子

上善(じょうぜん)は水の如し。

老子

(もっとも理想的な生き方は、水のようなものである。)

この続きを超訳すると…水は万物に利を与えながら争ったりしない、自然におさまるべきところにおさまっていく、ということ。

デザインの自然な法則に逆らわず、各要素を水のように自然に組み合わせていく意識。ついつい特定の要素を固定しがちだが組み合わせ方は無限。

荘子

人は皆有用の用を知るも、無用の用を知るなきなり

荘子

(人はみな有用のものの価値は知っているが、無用と思われているものの果たしている役割は知っていない)

「無用の用」。

余白は常に重視する。その他小さな点まで注意して観察すると勉強になることは多い。

六韜

大智(たいち)は智ならず。大謀(たいぼう)は謀ならず。大勇(たいゆう)は勇ならず

六韜

(本当に智があるならひけらかさない。本当の謀りごとはことさら計らわない。本当の勇はやたらと誇示しない。)

あしらいなどは目立たせたくなるので注意する。

漢書

百聞は一見に如かず

漢書

文字を減らして瞬時に伝わることを目指す。

計画に関すること

小学

事を作(な)すには必ず始めを謀(はか)り、言を出(い)だすには必ず行(こう)を顧みる

小学

(仕事は必ず始める前に熟慮する。発言は必ず行動が伴うかを顧みる)

制作する前に全体をよく考えて、あいまいな箇所ははっきりさせること。よくわからないこと、自分には難しいことを即答しないこと。

戦国策

百里を行く者は九十を半ばとす

戦国策

(百里を旅する者は九十里を半ばと心得るように)

Web制作は「できた」と思ってからけっこうな時間がかかる。テストや修正などにより、文字通り9割の時点で半ばだったりする。

納期の半分までに作ってしまうくらいのスピード感。とくに序盤に細部にこだわるのは事故のもと。

企画に関すること

列子

人、その見ざる所を見んと欲すれば、人の窺(うかが)わざる所を視(み)よ。その得ざる所を得んと欲すれば、人の為さざる所を修めよ

列子

(成功したければ他人が目もくれない、だれもやっていないことをやるべし)

意外とだれもやっていない新しい切り口などはあるもの。

呉子

戦いて勝つは易く、勝ちを守るは難し

呉子

(戦って勝つことは容易、だが勝利を維持し続けるのは難しい)

コンテンツを育てていく企画の場合、最初の勢いだけではなくて持続力が必要。もちろん考えすぎると動けなくなるが、長期的に持続できそうかという視点は大事。

成長や学びに関すること

墨子

人はその長ずる所に死せざるは寡(すく)なし

墨子

(人は長所によって身を滅ぼすことが多い)

デザインは自分の好きなパターンに逃げないように。技術面でもすでに知っていることで安易に解決しないこと。これらをやっているといずれ行き詰まる。

荀子

学は以て已(や)むべからず。青はこれを藍(あい)より取りて、藍より青し

荀子

いわゆる出藍の誉れとは別の意味。藍という原材料の情報から青色を取り出すような、自分の頭で考える勉強・向上の仕方をしたい。

荘子

君子の交わりは淡(あわ)きこと水の如し。小人の交わりは甘きこと醴(れい)の若(ごと)し

荘子

(人格者の付き合いは水のように淡々としている。小人の付き合いは甘酒のようにベタベタしている。)

情報収集などは一か所・一人の人にこだわったりせず広く淡々としたほうがよい。定期的につるむことがメインになってしまっている勉強会などは不要。

列子

大道は多岐(たき)なるを以て羊を亡(うしな)い、学者は多方(たほう)なるを以て生を喪う

列子

(大きな道はわき道も多いため逃げた羊を見失いやすい。学問にもさまざまな道があるため真理にたどり着くのは難しい。)

「多岐亡羊」。Webの世界は当てはまる場面が多いのでこれを頭の片隅に置いておく。

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