5年ほど前、30代半ばでWebデザイナーに転職するにあたりMacを初購入してみました。Macメインの会社も多いので、少しでも幅を広げるためでした。
ですが就職した会社はWindowsだったというのもあり、結局Macにはぜんぜん慣れませんでした。現在はネットサーフィン専用になっています。
この記事ではMacに慣れるのは想像以上にめんどうなことだった、という点を書きます。
使用していて個人的に苦手だった点
別にMacが嫌いなわけでもWindows信者でもないのですが、やっぱり慣れていない点が多くきつかったです。
具体的には以下です。
ショートカットなど
個人的には主にcommandキーの位置が問題でした。
親指で押すという認識が無かったのもあります。気づくのが遅すぎました。しばらくの間「なんでこんな微妙に押しにくいところにあるんだ」と思いながら、変に左手をくねらせて小指で押していました…。
ただ親指に修正した後は小指のWindowsよりも自然でいいのかもしれないとも思っています。ただその時点ではもうWindowsPCの会社に就職していたこともあり、そのままMac離れが進んでしまいました。
最初の頃は、交互に使っているととにかくcommandキーが面倒という気持ちが続きました。今はわりと大丈夫ですが、Macの時の親指は意識的に動かしている感が残ります。
全体像がつかめない
Macを初めて使おうとして苦戦したというか、ずっと気持ち悪かったのがシステムの全体像がつかめなかったこと。
どうしても「Windowsだと何に当たるのか」という思考回路になりますが、実はWindowsすらよくわかっていないのでさらに大混乱。
特にファイルの場所とか、表示からパッと場所や階層を把握したりとかがいまだにできません。いちいち考える感じです。
基本的な表示に慣れない
そもそもウインドウの閉じるマークが右上ではなくて左上にあるということ一つとっても慣れませんでした。
まあさすがに2年以上経つと迷ったりはしなくなりましたが、今でも久々に使う時には脳が違和感を感じているような変な感じがあります。
Macを買ってみた理由がことごとく空振りだった
上記のように慣れない点も多かったMacでしたが、私の場合買った理由そのものが空振りになりました。
仕事するうえで必要かもしれない
最初の就活時、調べているとMac使用の制作会社が多かったので、WebデザインやるならMacにも慣れておくべきかなと思っていました。
でも結局入社したのはバリバリWindowsの会社でした。それも好きな方でいいよ、ではなくてWindowsオンリー。理由はWeb制作はあくまで一部門であって、サーバーや開発が占める部分が多い会社だったから。取引先も自治体や公共団体が多く、社内の管理システムなども全部Windowsでした。
というわけで就職後の準備としては完全に不発になりました。
かっこいい…らしい…
あとはMacのほうがおしゃれでかっこいいという風潮。個人的にはぜんぜんそう思っていなかったのですが、一応そういう風潮の影響を受け、買う際には少し満足感がありました。
でもしばらくして再確認しました。やはりAppleやMacbookのどこがかっこいいのか私には全くわからなかったことを。私の美的感覚がおかしいのかもしれません。
確かにフォントなどきれいさはあります。が、それは「きれい」という事実であって、私の考えるかっこよさとは別の話です。
またWindowsのほうがいろんなデザインがあって個人的に美しい・かっこいいものを選べます。まあ結局風潮に流されず自分にとってよいと思えるものを選ぶことが大切、ということを再認識させられました。
意外とコスパがいいが…そこまででもないか
最終的にMacbook Airに決めた理由はコスパがよかったから。Corei5でメモリ8GBということでPhotoshopなどは全く問題なく使えます。 このあたりのスペックを狙うとMacbook Airのコスパは意外と悪くない、というか一番コスパいいほうかもしれないというのは決め手でした。
ただそのあとHPのWindowsデスクトップを買ってみてコスパの良さに驚きました。
Macを早い段階で売却していく作戦ならMacの方に軍配が上がるかもしれません。ただ5年以上など古くなるまで使い倒していくなら、ややWindowsのほうがよさそうと思いました。
完全サブ機になってしまった理由
最終的にMacノートはサブ機以下のネットサーフィン専用機みたいな実情になってしまいました。その理由です。
考えたらMacじゃないとできないことなどなにもない
「Macじゃないとできないこと」など何もないという事実を、実際に使ってみて再確認しました。
Windowsのほうが情報が充実
Macはある程度デジタルに馴染んでいる人向けと思います。Mac関連の情報は相対的に少ないですし、出てくる情報もある程度の読者レベルを想定していることが多いです。
これは人生をアナログで生きてきた私にはきついです。Windowsならパソコン教室の先生とかが電源の入れ方から教えてくれるほど初心者向けで丁寧な説明がいくらでもでてきます。当然Web制作についても準じます。
Windowsならクライアントと一緒
Webデザインの仕事をするうえで、ファイルのやり取りや共同作業などは頻繁に発生します。やっぱりクライアントを中心として多数派に属しているほうがいろいろラクでスムーズです。
自分の会社はWindowsオンリーでしたが、デザイン関係者同士だとMac主体になっていることも多いです。実際協力会社などはMacのところも多かったです。
ただ結局クライアントはほとんどの場合でWindowsなのです。特に私がやっていた仕事は役所など公的機関関連が多かったこともありそれが顕著でした。
年を取ったら絞っていかないとダメ
人生は短いから絞っていかないとダメだ、というのは本などでよく目にします。この点年齢的にも実感が増しているのでMacは切り捨てようと思いました。
OSはあくまで道具や手段なので、そこに固執するのは得策ではないです。二刀流は若い時にはじめないと大変です。
慣れるのが絶対、という環境になるまでは放置がいい
自分の中では、2社目への転職も視野に入れてますますMacに慣れておくべき、という案もありました。
ただ今は「うちはMacです」という転職先があったらその時に本気で慣れればいいと思っています。おそらく外国語と一緒で環境に放り込まれて慣れるのが一番効率がいいと思います。もっとも一度実機を所有し触ってはいる、という安心感も大きいですが。
あとはMacの転職先とWindowsの転職先があり、条件が同じくらいなら後者を選べばいいだけのことです。
よかったこと3つ
最後にMacでよかったことをちょろっと書いて終わりにします。
一応「Macのいいところってどこなんだろう?」を再確認するためにググりました。またそもそもなぜデザイナーという人種がMacを使うのかということ。
主に以下の記事が参考になりました。
https://hitori-koho.com/designer-macuser
特に言われてみればそうかも、と思ったのが以下3点。
フォントが滑らかできれい
Macは文字がきれいに感じます。なんとなく潜在意識的にはわかっていた気もしますが、やはりこれはあります。
ただ私の場合、多くのユーザーと同じ環境で作業するほうが常に受け手側の立場に立ててよいという考え方を重視しています。
※なのでスマホは日本人の多くがiphoneを使い続ける限り自分もiphoneです。ぜんぜんiphoneファンとかではないですが、単純に多数派に属するメリットが大きいです。
Adobeショートカットが英数でもカナでも使える
これは地味に、でも個人的にはかなり大きいです。
デザイン作業中に日本語を文字入力することも多いので、ショートカットが機能しなくていちいち切り替えるのは慣れた今でもめんどくさいです。切り替え忘れてはイラっとしている日もあります。
起動がはやい
起動がはやいっていうのも挙げられていて、そういえば…と思いました。
でもシャットダウンはしないことも多いですし、今メインにしているWindowsはスペックも高めで起動が遅いと感じたことはありません。
Windows95とかの時代だとPC起動中にトイレに行くみたいなイメージでしたが、今ここまでのものは少ないと思います。
まとめ:一度は試して損はないかも
結局Macはネットサーフィン専用になりましたが、しばらくMacとまじめにお付き合いしようとしたことに後悔はしていません。
やはりMac完全未経験の状態から脱しているというのは、なんとなく不安材料が減った気がしていいです。将来Mac環境で仕事する可能性もゼロではないので。
またMacを基本として書かれている情報に触れたときに、一応の理解はできるのでこれもよかったことです。
迷っているならMacは手を出してみてもいいと思います。その大きな理由は、高く売却できるからです。中古だろうが常に需要が高いです。例えば、売却前提=2年などの定額レンタル、と考えれば半額程度で試せたり、ということになります。
個人的にはWindows派として生きていくことに決めましたが、これからWebデザインをやりたいという人はMac派の会社に入る可能性も視野に入れて一度は試してみるのはアリかと思います。
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