未経験で中途からWeb制作に入ったので、経験面でハンデ的なものをずっと感じている。それを埋める方法の一つとして業界を絞るのはありかもしれないとか思ったりする。
デザインを掘り下げて本質に迫れる
デザインとは課題の解決。業界に特化すると課題が見えやすくなる。課題が見えないと表面上のデザインテクニックに頼らざるを得ない。
業界に詳しくないとその会社や店の訴求ポイントに気づくのも大変。これは基本的なことすらよく知らない業界のHPなどを制作していた時によく思った。忙しくてその業界について都度勉強する時間などはとれないし。もっとも詳しすぎても客目線になるのが難しくなりそうではあるが。
広い業界をやると「この業界ならこう」といった「っぽくなるデザイン」には強くなるかもしれない。でもたぶん本質的な考察が浅くなる。
物事の取り組み方の順番としても、一つの業界を掘り下げて本質をつくデザインが習慣化してから他業界に拡げていくほうが本筋に思える。
また、目標が「デザインの引き出しを増やしテクニックを磨く」という場合は、できるだけ幅広い業界をやったほうがよいと思う。
ただデザイン以外の点での成長、例えば経営やマーケティングなどを視野に入れたりするならやはり業界を絞ったほうがいい気がする。
どうやって専門にしたい業界をつくるか。その業界での経験があるのが理想だが、そうでなくても最初は本を数冊読むだけでも違うはず。
例えば不動産業界を選んだとして、「不動産業界のしくみ」「不動産のマーケティング」「不動産会社の経営」…などを1冊ずつでも読めば概要は把握できるはず。
そのうえでヒアリングにのぞんだり、その地域や会社の特徴を洗い出したりすれば的確にポイントを整理し訴求できる(のではないかと思っている)。
その業界について何も知らないで制作に取り組むのはきつかった。業界あるあるやよくある課題などもつかめていない。スタート時点で本質的にいい仕事ができる気がしない。
ジャンルを絞ったほうがより専門職になる
何でもできる人は何にもできない、とか言われることがある。
「この業界でのデザインなら」と言える人は強い。
業界によって求められる傾向はかなり離れていたりする。例えばHP制作にしてもIT系と料理系では距離がかなりある。
この距離を幅広く守備範囲にするのは難しい。
一業界に絞る、とまではいかなくても、近い雰囲気の業界に狭めると楽になる気がする。例えば動物保護団体、保育園、看護の専門学校、などを一連として担当した期間は共通項が多くやりやすかった。ざっくり言うと「やさしい系」。
もしこの合間にクールなIT系が入ると切り替えの幅が大きくなる。そういうほうが楽しいとかやりやすいという人もいるかもしれないが、私のような不器用人間には難しい。
業界を絞ってそれが裏目に出る…という可能性を考えてみたが、業界ごと一瞬で潰れるなんてことはほとんどない。衰退してきて他にうつるとしても、その本質を掘り下げた経験は無駄にならない。すぐに他業界にも応用できる。
また、地域を絞るというのもいい手だと思う。以前ローカルな制作会社を調べていたら本当に限られた地域限定でやっているところがあった。小さなお店のHPなどが多かったが、その地域の文化や人々に詳しいからこその強みを生かしているのだなと感じた。
いずれにせよ、遅れやハンデを感じているなら何かに絞って戦うという発想は大切だなと思ったりする今日このごろ。
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