私は職業訓練卒でWeb制作に就職しましたが、入社翌日から案件を任されるタイプの会社でした。本で急いで勉強したことも多かったです。
この記事ではWebデザイナー初心者として読んでよかった本を分野ごとにまとめてみました。
私の場合学習分野を決める際に、「Webデザイン」を「Web」と「デザイン」に分けています。この記事ではWebの方をまとめました。
もう一つのデザインのほうはこちらの記事にまとめました。
私が職業訓練で学んだことは以下です。
職業訓練ではWeb全体の知識はあまり扱わないですし、デザインそのものも習いませんでした。この状況では当然必要な基礎知識等が足りませんでした。というわけで後からたくさんの本にお世話になりました。
Webデザインの基本
1.いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門
学校で基本は学んだつもりでしたが、教本と講師があまり良いとは言えなかったのが正直なところです。この本でもう一度基礎に穴がないか確認した感じです。
職業訓練のカリキュラムではどうしてもツールの使い方やHTMLなどの言語に焦点が当てられがちです。この本はうまく補ってくれました。
実務初心者のころ、お守りのように枕元に置いて寝る前にパラパラしたり。
※私の場合は最初の版を読みましたが、紹介している↑のは第2版です。
HTML(css)コーディングの流れ
2.1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座
私はこの本で勉強していませんが、Amazonでめちゃくちゃ売れているっぽかったので目を通してみた本です。
職業訓練に通っていた時に「制作の全体の流れがイマイチつかめていない」的な悩みが、私もクラスメイトの間にもありました。この本があったら、通しで流れをつかむということがスピーディーにできたと思います。
すでに実務に入っていたり制作経験がある人には不要と思いますが、これから学習する人にはおすすめです。
css設計
3.Web制作者のためのCSS設計の教科書
訓練で勉強していた頃はcssが一番簡単だと思っていました。まあ好きに書くだけでしたので。ただ実務となるとcssは自由すぎて全然整理して書けませんでした。
この教科書のおかげでやっとルール化に着手できるようになった感じです。
フレームワークを使っていく場合でもこういう基礎を知っていると習得が速いんじゃないかなと思います。
JavaScript
4.確かな力が身につくJavaScript「超」入門 第2版
JavaScriptの必要に迫られた駆け出しWebデザイナーにぴったりの本です。つまりHTMLやcssはわかるもののプログラミングは不慣れで、JavaScriptもそこまで詳しくなる必要はない、という人。
私の場合は職業訓練でJQueryを少し学び、実務ではプラグイン活用がほとんど。この状態では困ることが何度もありました。ゴリゴリに書かれたJavaScriptを修正しなければならなくなったり、プラグインではダメな件があったり。
タイトルに「超」がついている本は言い過ぎと感じることも多いですが、この本ならあながち間違っていないと思いました。プログラミングに拒否反応が出がちなデザイナーでもそうなりにくいようになっています。特に序盤が丁寧で、そもそもそれってどういうこと?といった疑問に常に先回りしてくれています。そして最後はそれなりの理解でもそれなりのものが作れるように完結しています。
PHP(WordPress)
HP制作はWordPress案件が中心なのでやはりPHPはマストです。といっても私はPHPは言語としてほとんど学習しませんでした。すっとばしてWPテーマづくりの実務で慣れていった感じです。それで何とかなっていましたが、なんとなく不安すぎる感じを解消したく後々一冊買ったのがこれです。
5.初心者からちゃんとしたプロになる PHP基礎入門
テーマ作成レベルとはいえすでにPHPは書いていたので半分以上は不要でした。でもこの本で基礎を順序立ててなぞってあらためて安心感と自信が得られました。
当初となりの開発課の先輩にはもっと本格的なPHP本を勧められましたが、デザイナーには不要と判断してスルーしていました。結果良かったです。WPテーマをつくるレベルなら初心者用のPHP本がベストです。
ちなみにWordPressの本は会社にも多数あったのですが、なぜかどれもイマイチでした。本だと逆にわからないというか。全体像はテーマをつくったりいろいろ触っていくことでわかってくるというか…。
バナー
6.思わずクリックしたくなる バナーデザインのきほん
今本棚の中で一番ふせんだらけになっている一冊です。この本のおかげでバナーにおいて重要なポイントを一通り学べました。
基本的なページ構成は見開きでbefore afterの並びです。コツが絞られているので各ページ5~10秒くらいで「あ、なるほど」となります。
解説もごくシンプルに絞られた分量です。そのため読むのがまったく苦にならず、とてもわかりやすいです。
バナーに悩んでいる初心者や駆け出しの人には最高の一冊としておすすめできます。
写真補正
7.写真補正必携
本のタイトル通り会社の机に必ず置いていました。実例が幅広く、また「光、色味…」という感じで章の構成もわかりやすいです。何回かページをめくって慣れておけば「あ、ああいうのあのへんに書いてあったな」という感じで活用しやすくなります。
目的の状態にするためにどうステップを踏めばよいか、そしてそのステップごとにフォトショでどう操作するかまで丁寧に書かれています。ですので迷わず実践してみることができます。
仕事の全体像・ディレクション
8.Webディレクションの新・標準ルール
私の会社はディレクターがいなくて自分でその役もやらなければいけませんでした。というわけでこの本。
内容は広く浅く基本を網羅しているという感じです。私の場合就活の時点で「ディレクターって具体的に何しているの?」というレベルだったので、一通り把握する意味で役に立ちました。
専業のWebデザイナーなら学習優先度は高くないと思います。ただクライアントや他の部署とのコミュニケーション上は押さえておくべきことはたくさんあります。特に基礎的な用語(カタカナ)や概念などです。
※私がお世話になったのは初版ですが、第3版↑が出ていました。
情報の整理・設計
9.IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術
私の場合ある程度の規模のサイトを作り始めて情報の整理に混乱することが多々ありました。どういう階層やカテゴリに分けていけばいいのか、ページ同士のつながり~などなど。
もともと情報の整理みたいなことが苦手なのです。そして会社の書棚にあったこの本。正直Web系の本の中で一番出会えてよかった本です。
この本のおかげですべてにちゃんと理屈があり、理由を持って作っていく必要があるのだということがわかりました。しっかり本として読むだけの価値がある内容です。
Webマーケティング
何冊か読んだWebマーケティングの基礎本の中で一冊選ぶなら迷わずこれです。
10.沈黙のWebマーケティング
Webマーケティングの基本をストーリー仕立てで学べます。マンガではないですが、ほぼマンガのような吹き出し会話のみで進みます。そのため400ページくらいありますが短時間で読めます。小難しい教科書みたいな本とは正反対なので「読むのがきつい」みたいなことはまずありません。
というわけでWebマーケティングの基礎は押さえておきたい、というWebデザイナーにもおすすめです。登場人物の一人にWebデザイナーが出てきます。
なお同シリーズでWebライティングもあります。こちらもおすすめです。
11.沈黙のWebライティング
ライティングはライターだけのものではありません。Webデザイナーにも必要です。自分で書かなくても結局ほとんどのWebページの主役は文字だからです。
UIデザイン
読んだUI系の本は5冊程度ですが、その中から選ぶならこの2冊です。
12.UIデザインの教科書
この一冊で基本を網羅することができます。全ページに事例や図などが載っているので「読む」というより「見て」理解していくことができます。
13.インターフェースデザインの心理学
「へぇーそうだったのかー」が多く、読み物としておもしろいです。表面的なことではなく人の特性など根本的なところを学ぶことができました。読後自分のなかの土台が分厚くなった感じというか、こういうものほど本として読む価値があると思います。
その他
その他のジャンルで読んだ本としてはGoogleアナリティクス、Gitなどです。「わかばちゃんと学ぶ~」シリーズはわかりやすかったです。
というわけでシリーズを代表して1冊
14.わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門
実務でGitを使い始めた際に思わず不安で買ってしまった一冊。わかりやすかったです。
ただこういったツール系の学習は本とは相性が悪いと思っています。環境やバージョンが変わるとわかりにくくなるからです。また実際にググりながらいじるほうがはやいです。というわけで「べつに本必要なかったな」というのが正直なところです。
まとめ
この記事ではWebの学習に役立った本をまとめました。
Webデザイナー業務の主要部分ではない分野も多々ありました。でもだからこそ本で網羅してよかったと思っています。普段の業務以外の部分も広く浅く補えるからです。
もう一つの記事ではデザイン(グラフィック系)で役立った本を紹介しています。そちらもだいぶ手を出しましたがその中から良かった10冊を選んでいます。
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