ある程度の年齢以上になるとWebデザイナー未経験の就職活動は相当に厳しいです。私も35歳未経験だったので、求職者支援訓練を卒業した後2か月の間就活で苦戦しました。
特に大変だったのがポートフォリオづくり。訓練校の授業では無理なので自分でやる必要がありました。作品数もクオリティも足りない…。
ポートフォリオづくり以外にもやることがありました。例えばWordPressなど学校でやらなかったことを独学する必要です。
「年齢的に無理なのではないか」「もっと現実的な進路を探すべきなのだろうか」。そんなことも思いながら、ポートフォリオづくりや新たな学習へのモチベーションをなんとか維持した方法についてこの記事では書いてみます。
就活中も制作のやる気を維持した方法
私は粘り強いタイプではないですし、勉強もほぼ中学までしかやっていません。努力は大切だと思いますが、「気合」とか「根性」とかは苦手です。
正直Webデザイナーには特別な興味があったわけでもないです。「面白そうかも」くらい。
そんな私でも就活を諦めずにスキルアップを続けられたのは、誰でもできる方法を実践したからかもしれません。
勉強のための勉強はしない。100%とにかく作る。
スキルアップやクオリティの向上というと、どうしても「勉強のための勉強」っぽい取り組み方をしてしまいがちです。
つまりまずはじっくりインプットしてアウトプットするという流れ。ここでのインプットとはつまり覚えることと十分に理解すること。お手本をしっかり学ぶこと。学校の授業とかだいたいそうですよね。
でもデザインやプログラミングを自力で続けるときに大切なのは、とにかく作品作りをすること。何かを記憶しようとしなくていいし、理解は50~60%とかでいいと思っています。
インプットのためにまとめて本を読んだり動画をみたりしても、やった気になるだけなことも多いです。時間に見合わない。そしてアウトプットした方がいい一番の理由は、作らないと楽しいと思えないから。
あくまで作品作りの過程で足りないものを補うために勉強するというくらいが〇。出す方を中心に。
呼吸でも大事なのはしっかり吐くこと。しっかり吐けば自然に吸えます。
イメージとしてはインプットとアウトプットは3:7の割合くらい。
Webデザインでは何かを作ろうとすると、たいてい必ず調べることになります。例えばバナー1個作る場合でも、「同じ業界でどんな色や構成が使われているのか」など調査からはじまったり。また何かを実装しようとする場合なども参考資料を検索するパターンになります。練習のために作品をコピーしてみようとする場合にも、知らない機能や手法を調べたりすることになります。
こうやっていると体感ですが結果的に3:7くらいの割合になります。しかもアウトプット率100%のインプットしかしないので成果は最大。
「せっかく学んだのに使えない」がなければ楽しい。楽しいから勝手に続きます。
全く新しいことをやる時でもアウトプットから
新しいスキルを身に着けようという場合も同じやり方をするのがいいと思います。
例えば私の場合新しく「WordPressのテーマ化」「PHP」を習得しようと思いました。落ちた面接でその2つが需要がある、と聞いたので。でも訓練校で全くやってないので知識は0。
さすがに知識0だと手が付けられないと思って、基礎から学んでその後なにか制作しようと思ったんですが逆に無理でした。意味不明過ぎてインプットができない。頭のいい人ならできるんでしょうけど。
なので「とりあえずこれをなぞるとテーマが出来上がります」っていう個人ブログとかをなぞりました(私がお世話になったサイトさんは検索で出てこなくなってしまったので紹介はできないのですが)。
意味が全く分からないからこそこういった方法で手を動かすしかないです。とりあえず全体像をつかんでから本とかプログラミングの教材とかに行く方が、スピード・やる気ともにいいと思います。
私もそうなのですがデザイナーを目指す人って、エンジニアの方々と違ってプログラミングとか嫌いな確率が高いですよね。正直中身とかどうでもいいから見た目が出来上がればOKくらいに思ってたり。だからこそ、とりあえず意味不明でも作ります。せめて形が出来上がってくると、よく意味はわかんないけどなんか楽しい!と感じます。
あえてキリを悪くするという必勝法
何かやる時一番エネルギーがいるのはどのタイミングでしょうか?
それは「はじめる前」。だいたいの人は同意してもらえるんじゃないかと思います。
就活の準備というのは学校や職場と違って誰かが管理してくれるわけではありません。ですので特に以下のタイミングで特にエネルギーが必要になります。
- 一日の初めに作業スタートする時。また食後などに改めてスイッチをいれる時。
- 特に新しい作品の制作を始める時。
この2つの壁が重なると大変です。私はこのダブルパンチになったらもうダメで、何日も浪費した経験はたくさんあります。つまり明日から新しい作品を作るぞ、とか食後に始めるぞ、とか。高確率で失敗します。
じゃあどうするか?最初から壁を越えている状態を常に作り出せばいいです。
例えば、バナー作りをやっていたら7割ぐらいできたタイミングでやめます。「いい感じになってきた」「一番楽しい」くらいでやめて寝ます。あるいは食事休憩にします。
もし今日まだ作業したかったら完成させずに違うのを作り始めます。楽しいタイミングなので新しいのを作り始めるのに労力はいりません。またはきらいな作業(例えばコーディングとか)をこのタイミングでやれば辛く感じません。
こうやっていると、作りかけの「楽しいもの」が常に何個かストックされている状態になります。
もっとこうしたいというのがあったら、メモでもしておいて実際は明日やることにする。こうしておくと、寝てる間もいい意味でそれが頭にある感じになります。「明日朝起きたらあれの続きやりたいなあ」となっていればもう勝ちです。
明日の自分が「すぐにこれをやりたい」と思うように、今日の自分をセッティングする。
気づいたら作品はたくさんできてて、なんか上達してきたなあ…ってなります。
いったん寝かせるのはクオリティやスピードの上でもいいこと
キリが悪いところでいったんやめてしまうことに抵抗を感じることもあると思います。
ただWeb制作の場合はむしろ吉とでることが多いです。
ビジュアルのデザインの場合は、翌日見ると欠点がはっきり見えたり、新しいアイディアが一瞬で出たりしやすいです。またプログラミングなどでは、ある箇所で詰まっていたのが翌日の朝になったら一発で解決できたりしたことは数えきれないほどあります。
これは睡眠や休息で脳が一旦リセットされる的なことかもしれません。また単純に朝のほうが脳のパフォーマンスが高いというのもあると思います。
キリのいいところまでやろうと夜遅くまでやってしまうと寝るタイミングを逃したり翌日に疲れが残ったりします。それならば翌朝に回す方がはるかに効率がよいです。
これらは実務についてからより強く感じるようになりました。
「やる気」を探しても、見つからない
「やる気」を出そう、「気合」を入れようでは就活は上手くいかない、仕事も楽しくないです。
私は「やる気はあるんだけどやる気でないなあ…」みたいなのがちょくちょくあります。でもそもそも自分の心の中からやる気を探してぴっぱり出そうとしていること自体がだめなんですよね。気合ややる気なんてそもそもどこにも存在してない。存在してない敵と格闘しても仕方がない。…というような話を心理学の本か何かで読んだ記憶があります。
心よりも行動が先。
とにかく制作をすることで自然とやる気が上がっていきます。
まとめ
ポートフォリオづくりなどのモチベーションが上がらない時の対策。
- とくかく作ること。すぐ作品作りに使わない勉強はしない
- あえてキリよく終わらせない。次回のスタートをスムーズにする
- 寝かせることでクオリティも効率も上がる
- 漠然と「やる気を出そう」はだめ。作業を始めることでそれがやる気になる
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